すなおクリニック院長の美容情報ブログ
埋没法の糸が取れた──実は2つのパターンがあります
2025/10/30
埋没法の手術を受けたあと、
「二重が消えた」「糸が取れたかも?」
と感じる方が時々いらっしゃいます。
実は「糸が取れた」と言っても、
その原因は大きく2つに分けられます。

① 手術してすぐに糸がほどけてしまった場合
手術後すぐ、または数日〜数週間以内に
二重のラインが薄くなったり消えてしまった場合には
糸そのものの結び目が緩んでしまったり、
ほどけてしまった可能性があります。

👉糸の結び目が緩む主な原因
糸の結び目が緩んだ場合、その原因はとして
考えられる可能性は大きく分けて3つです。
①手術中の糸の結び方がゆるかった可能性。
(特に二重幅を大きくとる場合にはゆるく結ばないと
医原性眼瞼下垂の原因となるため、術者が大変気を使います。
この際の微妙な力かげんで結び目が緩くなることがあります)
②術後すぐにまぶたを強くこすった可能性
特に花粉症の方などは瞼を強くこすらないよう
注意が必要です。
抗ヒスタミン剤の内服やかゆみ止めの目薬などを
使うようにすると予防になります。
③腫れやむくみで糸に余計な力がかかった可能性
術後の腫れで糸に負荷がかかることがあります。
結び目が内側からおされてしまいほどけてしまうことが
あります。
腫れを少なくするには
・睫毛の際から糸を留める位置までの距離を
皮膚を軽く上に引っ張った状態で8ミリ以内
におさめること。
・術後少し枕を高くして眠ること
・塩分をひかえること
・飲酒をひかえること
などが大切です。
対応
早期にラインが取れてしまった場合は、
糸を結び直したり、再度埋没法を行うことで
修正できることがほとんどです。
放置しても自然に戻ることはほとんどないため、
できるだけ早く施術を受けたクリニックに
相談するのがおすすめです。
ただし、再施術の時期は腫れ具合によって
おすすめの時期が変わります。

② 時間がたってから糸がゆるんだ・組織が抜けた場合
手術から数ヶ月〜数年たって、「最近二重が浅くなった」
「前より戻ってきた気がする」という場合です。
このときは、糸自体がほどけたのではなく、
糸が引っかけていたまぶたの組織が、
糸からすり抜けてしまったことが多いです。

なぜ時間がたってから糸がゆるんだり組織が抜けるの?
理由① 糸で作った“折り目”部分の組織
(皮下組織・眼輪筋・瞼板・挙筋腱膜など)が、
時間とともに少しずつきれて糸の輪から抜けてしまう。
理由② まぶたが厚い、たるみが出てきた、
脂肪が多い、などの条件があると糸が緩みやすい
理由③ 年齢や体質の変化で、糸の周囲の組織が
やせたり伸びたりする
理由④ 糸が組織を「切ってしまう(cutting through)」
ことで、固定が外れる
つまり、糸は中に残っているけれど、
まぶたの折れ曲がり(=二重ライン)を支える力が
弱くなることがあるのです。

対応
このような場合、もう一度糸を入れ直す
(再埋没法)か、皮膚を切開してしっかり
固定する方法(切開法)を選ぶことになります。
まぶたの状態によって、どちらが良いかは異なります。
糸が取れないようにするために大切なこと
・手術前に、自分のまぶたの厚みや脂肪量をしっかり診てもらう
・適切な術式(点の数、糸の種類、固定の深さ)を選んでもらう
・手術後は、強くこすらない・目を酷使しない
・腫れを早く引かせるように冷やす・安静にする
何より、「埋没法は永久的なものではない」という点を
理解しておくことも大切です。
以上、埋没法で作成したラインが消えたり薄くなったりする
原因について解説しました。
とはいえ、埋没法はダウンタイムも少なく
手軽にできる優れた二重ライン作成法です。
上手に利用して、毎日の生活を楽に楽しくしたいですね。
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。










