すなおクリニック院長の美容情報ブログ
埋没法~手術法とダウンタイムの関係~
2022/10/22
埋没法の術式って、多くのバリエーションがありますよね。
留める位置は瞼板か?挙筋の高さか?
糸の通し方はどうするか?
どの方法をとっても
二重線にしたい希望の位置で、
瞼をあけたら皮膚が折れ曲がるように
する、というのが共通のコンセプト。
この方法だったら取れづらいですよ!
という宣伝をよくみかけますが
医師からみれば「本当にい~?」という突っ込みどころは満載なことが
実は多々あります。
いろんな文献をみても
とれてしまうリスクは4~6%程度。
「このやり方だったら取れない」などという
確実なものはなさそうです。
一方、腫れの出方にはハッキリとしていることがあります。
点で留めると腫れづらい。
ラインで留めると
リンパの流れも妨げられ、内出血リスクも高まり腫れやすい。
そういう差があるのは、医師ならちょっと考えれば分かる事。
↑点で留める。
↑ラインで留める。
それから、瞼板法と挙筋法を比較すると
瞼板法のほうが
腫れづらいというのも業界では周知の事実です。
私は
切開ではなく埋没法を選択している患者さんは
「できるだけ腫れない」ことを望んでいるのでは?
という考え方をしているんですが
間違いでしょうか。
もちろん取れづらい、というのものご希望でしょうけれど
手法によって大きな差がデータ上出ていないので
わたしとしては、そこはドングリの背比べでは?と思っています。
これを診察室で説明するのは難しいんですけど・・・
実際、他院の埋没法の後に、しばらくしてから
線が薄くなったとか、とれたとかで当院で切開をされる方って
結構いらっしゃるんですけど
あけてびっくり。糸がグルグル巻きにはいってたりします。
これだけグルグル巻きにしても、結局とれて、切開にもつれこんでいる。。。
それならグルグル巻きにして埋没なのに腫らしまくる手術は
やめといたらどうでしょう。。と思うのです。
腫れてもいいんなら、99%以上の確率でラインがとれない
切開法でいいじゃないですか。。
と思うわけです。
したがって、腫れる埋没法は避けた方がいいんじゃないかな~
埋没法にするんだったら腫れが少ない方法がいいんじゃないかな~
と思うんですが、
これが、どうやら世の流れと逆らっている様子。
ラインでしっかり留めて、結構腫れが強く出る埋没法で
数十万の料金を請求するのが主流のようです。
点留めは、いろいろ欠点があるから薦めません、と患者さんを
説得するので元々施術する気がなく、
価格設定はびっくりするほど安く設定されています。
わたしはライン留めもするんですが、
どっちかというと上記のような考え方をもとに
点留めにさせてもらうことが多いです。
また、瞼板法のほうが腫れづらいのですが、
あまり瞼板中央近くで留めると瞼板変形リスクや
角膜への刺激が問題になることがあるため、
瞼板の上縁あたりを狙うようにしています。
点留めは時代遅れ、と、どこぞのドクターのブログに書いてありましたが
時代遅れでもいいとこあるよ?
藤原先生の右側の埋没法を、約1年前にしました。点留め、で2か所とめました。
手術直後の写真です。あまり腫れません。多少幅が広めになっているくらいです。
これは先ほど先生にとらせていただいた写真。
1年後も、とれずに綺麗な弧を描いています。
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。