美容施術解説
ソフウェーブは韓国で安い?日本との料金・制度の違いと後悔しない選び方
2026/09/01
「ソフウェーブを韓国で受ければ、日本よりずっと安く済むのではないか」「韓国のクリニックで勧められた機器が、本当にソフウェーブなのか分からない」……。渡韓を具体的に考え始めた方から、このようなお声をいただくことが増えました。「帰国したあとで何かあったとき、どこに相談すればよいのだろう」という不安をお持ちではありませんか?
ソフウェーブ(Sofwave)は、真皮(しんぴ)に熱を届けて肌のハリを引き出す超音波リフトアップ治療です。ただ、韓国と日本の価格を並べて比べようとしても、照射する部位も照射数も条件が揃っていないことが多く、そのままでは比較が成り立ちません。
実のところ、ソフウェーブは「韓国で受ければ大幅に安くなる」と言い切れる治療ではなく、判断を分けるのは価格よりも適応の見極めと施術後の道筋です。
本記事では、形成再建外科の経歴を持つ医師の視点から、韓国と日本の料金・制度・効果とダウンタイムの違い、そして渡韓前に確かめておきたいリスクと確認事項までを、「やりすぎない」美容医療の考え方に沿って詳しく解説します。
第1章 ソフウェーブを韓国で受けるべきか|先に結論と3つの判断軸
韓国での美容医療が身近になり、ソフウェーブも渡韓先の候補として名前が挙がるようになりました。最初に、私が診療の場でお伝えしている結論と、その土台になる判断の軸を整理します。
1-1. 韓国のソフウェーブは「大幅に安い」とは限らない
韓国の予約プラットフォームに並ぶソフウェーブの掲載価格は、おおむね55万〜99万ウォン、上位の価格帯で110万〜240万ウォン程度です(2026年8月時点の掲載例)。1ウォンを約0.11円として換算すると、およそ6万円から26万円という幅になります。
一方、日本国内のソフウェーブにも価格の幅があり、顔全体で12万円台を掲げるクリニックもあれば、20万円台後半のプランを設定しているクリニックもあります。つまり、韓国と日本の価格帯は重なり合っており、渡韓すれば必ず安くなるという構図にはなっていません。
この点は、渡韓による価格差が語られやすい他の照射治療とは事情が異なります。ソフウェーブは日本での導入が本格化した時期が比較的新しく、国内でも価格の競争が起きていることが背景にあると考えられます。「韓国=安い」という前提を、この治療にそのまま当てはめない方がよいでしょう。
1-2. 価格よりも重い、3つの判断軸

では、何を基準に考えればよいのでしょうか。カウンセリングでは、次の3点を軸にご説明しています。
- 適応の見極め:たるみの主な原因が皮膚のゆるみにあるのか、脂肪や支持組織の下垂にあるのかで、ソフウェーブが向くかどうかが変わります。ここを外すと、費用の多寡にかかわらず満足度は上がりません
- 施術者と施術環境:どの部位に、どの出力で、どれだけの照射を行うのか。同じ機器でも、その組み立て方によって結果は変わります
- 施術後の道筋:ソフウェーブは効果の判定に数か月を要する治療です。その間に相談できる相手がいるかどうかは、想像以上に効いてきます。
3つのうち、渡韓によって条件が変わりやすいのは2つ目と3つ目です。裏を返せば、適応がはっきりしていて、施術後の相談先も確保できているのであれば、韓国で受けること自体を否定する理由はありません。
私は渡韓を一律に止める立場ではなく、条件を揃えてから判断していただきたいと考えています。
1-3. 「やりすぎない」観点から見た、渡韓での施術
渡韓の予定に合わせて、できるだけ多くの施術を一度に組み合わせたいというご相談を受けることがあります。限られた滞在日数のなかで、照射も注入も一日で終わらせたいというお気持ちは自然なものです。
ただ、複数の治療を同じ日に重ねると、後から「どの治療がどう効いたのか」「どの治療で赤みが出たのか」を切り分けられなくなります。次の一手を考えるときに、判断材料が失われてしまうのです。
「やりすぎない」美容医療とは、治療を我慢することではありません。必要な治療を、必要な量だけ、順序立てて行うという考え方です。渡韓の日程に治療を合わせるのではなく、ご自身の肌の状態に日程を合わせられるかどうかを、いちど立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
第2章 ソフウェーブとは|真皮に届く並列超音波と、韓国で混同されやすい「ハイフ」との違い
判断の前提として、ソフウェーブがどのような治療なのかを整理しておきましょう。韓国のクリニックでは複数のたるみ治療がまとめて案内されることがあり、機器の区別がつきにくい場面があります。
2-1. SUPERB(同期並列超音波)が真皮に作用する仕組み
ソフウェーブは、イスラエルのSofwave Medical社が開発したリフトアップ機器です。用いられているのは、SUPERB(スパーブ:Synchronous Ultrasound Parallel Beam、同期並列超音波)と呼ばれる技術です。
7つの振動子(トランスデューサー)が並び、焦点を絞らない超音波ビームを同時に発することが特徴です。
このビームは表皮を通り抜け、真皮の中ほど、深さおよそ0.5mmから2mmの層にエネルギーを届けます。当院では、深さ1.5mmを中心に円柱状の熱を作り、真皮の浅い層をおよそ70℃まで温めるとご説明しています。
この熱によって真皮のコラーゲンが収縮し、その後の修復の過程で線維芽細胞(せんいがさいぼう)が働き、コラーゲンやエラスチンの新生が促されるとされています。
表皮の側は冷却の仕組みで保護されるため、照射中に肌表面が高温にさらされ続けることはありません。皮膚を切らずに真皮の状態を整えられる点が、この治療の位置づけをつくっています。
2-2. 韓国で「ハイフ」と一括りにされやすい理由

韓国のクリニックでは、たるみに対する照射治療がまとめて「リフティング」「ハイフ」として案内されることがあります。ここは最も混同しやすい部分です。
HIFU(ハイフ:高密度焦点式超音波)は、超音波を一点に集束させて、より深い層に点状の熱凝固点を作る治療です。代表的な機器であるウルセラでは、4.5mmのカートリッジがSMAS(スマス)筋膜に、3.0mm・1.5mmのカートリッジが真皮に作用します。
一方のソフウェーブは超音波を集束させず、真皮に対して面でエネルギーを届けます。狙う層も熱の作り方も違う、別カテゴリの治療だとお考えください。
そのため、カウンセリングで「ハイフ」とだけ案内された場合は、メニュー名ではなく機器名で確認することが欠かせません。施術室で機器本体を見せてもらい、Sofwaveの表記があるかを目で確かめる。この一手間が、認識のずれを防ぎます。
2-3. ウルセラ・サーマクールFLXとの役割の違い
当院ではソフウェーブのほかに、ウルセラ、サーマクールFLX、ポテンツァといった照射治療を用意しています。それぞれ守備範囲が異なりますので、表で整理します。
|
項目 |
ソフウェーブ |
ウルセラ |
サーマクールFLX |
|---|---|---|---|
|
エネルギーの種類 |
非集束の並列超音波 |
高密度焦点式超音波(HIFU) |
高周波(RF) |
|
主に熱が加わる層 |
真皮(深さ0.5〜2mm) |
4.5mm=SMAS筋膜/3.0mm・1.5mm=真皮 |
真皮から皮下脂肪の線維隔壁(せんいかくへき) |
|
得意な領域 |
皮膚のハリ・毛穴・真皮主体のたるみ |
SMAS筋膜のゆるみを伴うたるみ |
皮膚のハリ・毛穴・皮下脂肪主体のたるみ |
|
効果の持続の目安 |
1年程度 |
1年程度 |
1年程度 |
3機種はいずれも、外科的なリフト手術と比べればダウンタイムが大幅に短い治療です。機器同士でダウンタイムの長短を競わせる意味はあまりなく、どの層に働きかけたいのかで選ぶのが本筋だと考えています。詳しい内容は[すなおクリニックのウルセラによるリフト治療]や[サーマクールFLXの施術内容]のページでもご確認いただけます。
第3章 韓国と日本のソフウェーブ料金を、同じ条件に揃えて比べる
料金の比較は、条件を揃えて初めて意味を持ちます。ソフウェーブによるリフトアップの場合、揃えるべき条件は「部位」と「照射数」です。
3-1. 韓国の掲載価格は「部位と照射数」まで確認しないと比較できない
韓国のプラットフォームに並ぶ価格には、大きな幅があります。安く見える掲載のなかには、照射数が100ショット程度に限られていたり、頬など一部の部位のみだったりする構成が含まれます。
顔全体を対象とした日本のプランと単純に並べれば、当然ながら韓国側が安く見えます。
ソフウェーブの照射数は、クリニックによってショット数やパルス数といった単位で表記されます。日本のクリニックでは、顔全体で200前後の照射数を設定しているプランが見られます。
カウンセリングでは「1回いくらか」ではなく、「どの部位に、いくつ照射するのか」を数字で確認してください。
なお、割引率の大きい表示価格には、初回限定や期間限定といった条件が付いていることがあります。通常価格との差、追加照射が必要になった場合の費用も、あらかじめ聞いておくと安心です。
3-2. 日本の相場と、当院の料金プラン
日本国内のソフウェーブは、顔全体で12万円台から20万円台後半まで、クリニックによって設定に幅があります。当院(すなおクリニック)は部位で区切ったプラン制を採っており、料金は次のとおりです(税込・2026年8月時点)。
|
プラン |
1回 |
1年以内の2回目以降 |
|
顔〜顎下 |
¥262,350 |
¥237,820 |
|
顔〜顎下〜首 |
¥382,800 |
¥344,520 |
|
口横〜フェイスライン |
¥99,000 |
ー |
このほか、麻酔クリーム(首・顔)が各¥2,200、ブロック麻酔が¥5,500、リラックス麻酔(筋肉注射)が¥11,000です。土屋医師の施術をご希望の場合は、施術費用に10%の指名料を頂戴しております。最新の金額は[しわ・たるみ・ほうれい線治療の料金一覧]でご確認いただけます。
ショット単位で追加課金を重ねる形ではなく、部位ごとに範囲を定めたプランとしています。照射数を積み増して費用が膨らむ心配をせずに、必要な範囲を選んでいただけるためです。最新の内容は[すなおクリニックのソフウェーブ施術ページ]をご確認ください。
正直に申し上げれば、当院の料金は韓国の掲載価格より高い水準にあります。その差に何が含まれているのかは、次の項で総額として見ていきましょう。
3-3. 渡航費・滞在費まで含めた総額で考える

比較の土俵を揃えるために、施術費以外の費目も並べてみます。
|
費目 |
韓国で受ける場合 |
日本で受ける場合 |
|---|---|---|
|
施術費 |
約6万〜26万円(部位・照射数による) |
約12万〜38万円(部位・照射数による) |
|
渡航費 |
航空券・空港への交通費 |
不要 |
|
滞在費 |
1〜2泊程度の宿泊費 |
不要 |
|
通訳・案内 |
日本語対応がない場合に発生 |
不要 |
|
施術後の相談 |
再渡航、または国内の別のクリニックへ |
同じクリニックで継続 |
こうして並べると、価格差は思っていたほど大きくないことが分かります。渡航と滞在の費用を加えた時点で、韓国側の総額が日本の水準に近づく、あるいは上回る場合もあります。
もちろん、旅行の目的が別にあり、その滞在中に施術を組み込むのであれば、渡航費を施術のコストとして数える必要はありません。判断を誤りやすいのは、「安くなるはずだ」という前提だけで渡韓を決めてしまう場合です。数字を書き出して比べれば、ご自身にとっての合理性は自然と見えてきます。
第4章 韓国と日本で決定的に違う「制度」|ソフウェーブの国内薬事承認と3学会の指針
料金以上に日本と韓国で違うのが、この治療を取り巻く制度の枠組みです。ここは、ほとんどの比較記事で触れられていない部分ですので、少し丁寧に説明します。
4-1. 2025年4月、美容目的の超音波照射機器として国内で初めて承認された
2025年4月、厚生労働省はソフウェーブを、美容目的の超音波照射機器としては国内で初めて薬事承認しました。施術の対象は、中等度から重度の顔や首のしわを有する成人とされています。
米国では、それに先立って米国食品医薬品局(FDA)のクリアランスが段階的に取得されてきました。2019年に顔のしわ・小じわ、2021年に眉のリフトおよび顎下・首のリフト、2022年にセルライトの外観の一時的な改善、2023年にざ瘡瘢痕(ざそうはんこん:にきび跡)についてです。
こうした承認やクリアランスは、有効性と安全性が一定の基準のもとで確認されたことを示すものです。ただし、いかなる施術にも一定のリスクは残ります。承認を「安全の保証」と読み替えないことが、冷静な判断につながります。
4-2. 3学会が定めた「適正使用指針」が制限していること
国内承認と同じ2025年4月、3つの学会が合同で「皮膚引締め用超音波照射器『Sofwaveシステム』適正使用指針」を公表しました。策定にあたったのは、日本美容外科学会(JSAPS)、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)です。主な内容は次のとおりです。
- 施術者の限定:製造販売業者によるトレーニングを受講した医師のみが施術を行えます。
- 実施場所の限定:医療法に基づく医療提供施設に限られます。
- 照射を避ける部位:眼窩(がんか)、甲状軟骨・甲状腺・気管の上、耳の前方から首に向かう縦方向の線より後方が挙げられています。
- 照射の進め方:低い出力から始める、アプリケーターを全面密着させる、同じ場所への連続照射を避ける、といった注意が示されています。
- 対象外となる方:妊娠中・授乳中の方、小児、ペースメーカーを埋め込んでいる方、過去6か月以内にレチノイドを内服した方などです。
背景には、HIFU施術による健康被害の蓄積があります。消費者庁と国民生活センターが運営する事故情報データバンクには、2015年から2022年12月までに135件が登録されました。そのうち97%を女性が占め、およそ7割が顔の受傷というリスクの偏りが示されています。
熱傷のほか、顔面の神経障害や眼の障害も報告されています。2024年6月には、医師以外によるハイフ施術が医師法違反にあたるとの通知も出されました。
つまり国内の枠組みは、「誰が」「どこで」「どこに」照射してよいかまで踏み込んで定められているわけです。これは、過去の被害から積み上げられたルールだと言えるでしょう。
4-3. 韓国で受ける場合、この枠組みは適用されない

当然のことながら、日本の薬事承認や国内学会の指針は、韓国のクリニックには及びません。韓国には韓国の制度があり、医療機器は食品医薬品安全処(MFDS)の許可のもとで扱われています。どちらの制度が優れているという話ではありません。
大切なのは、ご自身がどの枠組みのもとで施術を受けているのかを把握しておくことです。渡韓して受ける場合には、次の3点をご自身で確認することになります。
- 機器:使用されるのがソフウェーブの正規機器かどうかを、本体で確認する
- 施術者:医師が直接照射するのか、他のスタッフが担当するのかを尋ねる
- 照射範囲:どの部位を照射し、どの部位を避けるのかを事前に説明してもらう
日本国内であれば、この3点は薬事承認と指針の枠組みが担保しています。カウンセリングの場でこちらから説明する事柄であり、患者さんの側が確かめにいく必要はありません。
海外で受けるということは、その確認をご自身の手に引き受けるということです。そこまで含めて納得できるのであれば、渡韓という選択は十分に成り立ちます。
第5章 ソフウェーブの効果とダウンタイム|韓国滞在の日程に組み込めるのか
渡韓を検討される方が気にされるのが、「施術後どのくらいで人前に出られるのか」「旅行中に効果を実感できるのか」という点です。時間の流れに沿って整理します。
5-1. 効果はゆっくり現れる|報告されているエビデンス
ソフウェーブは、照射した直後に肌がぐっと引き上がるタイプの治療ではありません。真皮が熱を受けたあと、数週間から数か月かけて修復が進み、その過程で少しずつハリの変化が現れます。効果の持続はおおむね1年程度が目安とされ、感じ方には個人差があります。
エビデンスの面では、韓国・ソウルの医師らによる報告が参考になります。23歳から67歳の女性13名(平均46.5歳)を対象に施術後の皮膚生検を行ったところ、真皮中層の弾性線維の密度が0.504から0.673へと増加したと報告されました。また、11名(85%)で50%を超える改善が評価されています。*Suh DH, et al. Journal of Cosmetic Dermatology. 24(2), e16670, 2025.*
対象が13名と少ない研究ですので、この数字だけで効果を保証することはできません。ただ、狙った層である真皮中層に組織学的な変化が確認されたという点は、作用の仕組みを裏づける材料になります。米国の多施設研究でも、顔のたるみに対する有効性と安全性が報告されています。*Gold MH, Biron J. Journal of Cosmetic Dermatology. 23, 117-123, 2024.*
5-2. ダウンタイムと、当日からの過ごし方

当院では、施術当日からメイク・洗顔・シャワーが可能とご案内しています。軽い赤みや腫れが出る場合はありますが、多くは数時間から1日程度で自然に落ち着く傾向があります。翌日から通常どおりに過ごせるのが標準的な経過です。
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時期 |
一般的な経過の目安 |
|---|---|
|
施術当日 |
軽い赤みやほてり。メイク・洗顔・シャワーは可能 |
|
翌日 |
多くの方が通常の生活・仕事に戻れます |
|
2〜3日目 |
触れたときに軽い痛みを感じる方がいます |
|
1〜3か月 |
少しずつハリの変化が現れてきます |
|
1年程度 |
効果の持続の目安とされる期間 |
ダウンタイムがほとんど問題にならない治療とはいえ、結婚式や大切な商談など、人前に立つ非常に重要な予定がある場合は、4日目以降に設定していただくのが安心です。ほとんどの方には不要な配慮ですが、肌が敏感な方では赤みが数日残ることもあるためです。
なお、リスクとして熱傷、瘢痕(はんこん)形成、水疱形成、色素沈着、肝斑(かんぱん)の悪化が挙げられます。頻度の高いものではありませんが、こうした可能性が残ることは、施術前に必ず知っておいていただきたい点です。
5-3. 渡韓の日程に組み込むときの、現実的な注意
ダウンタイムの短さを考えれば、帰国便の前日にリフトアップの照射を受けることも日程上は可能です。実際、滞在の最終日に照射を入れる方も少なくありません。
問題は別のところにあります。照射直後には、その施術が適切だったかどうかを判断できないのです。効果が見えてくるのは数週間から数か月後ですから、滞在中に結果を確かめて質問することはできません。何か気になる変化が出るとすれば、それは帰国後になります。
ですから、渡韓の日程を考えるときは、「滞在中にどう過ごすか」よりも「帰国してからの数か月をどう過ごすか」を先に考えていただきたいと思います。私が診療の場で最も強調しているのも、この時間差についてです。
第6章 韓国でソフウェーブを受ける前に確かめたい適応|皮膚が主因か、脂肪や支持組織が主因か
ここまで料金と制度を見てきましたが、満足度を最も大きく左右するのは適応の見極めです。同じ「たるみ」でも、原因の層が違えば選ぶべき治療も変わります。
6-1. たるみの原因は一つではない
顔のたるみは、複数の組織で同時に進む変化です。リフトアップをうたう治療は数多くありますが、働きかける層はそれぞれ異なります。主に検討される治療の方向性を、原因の層ごとに整理します。
|
主な原因 |
起きている変化 |
主に検討される治療の方向性 |
|---|---|---|
|
皮膚(真皮)のハリの低下 |
コラーゲン・エラスチンが減少し、皮膚がハリを失う |
照射治療(ソフウェーブ・ポテンツァなど) |
|
皮下脂肪の厚み・下垂 |
脂肪パッドが下垂して覆いかぶさる |
照射治療(サーマクールFLXなど)・外科的治療 |
|
SMAS筋膜・リガメント(支持靭帯)の弛緩(しかん) |
顔を支える構造がゆるむ |
HIFU(ウルセラ)・糸リフト・フェイスリフト |
|
ボリュームの減少 |
骨の吸収や脂肪の萎縮で土台が痩せる |
注入治療(ヒアルロン酸・脂肪注入・ベビーコラーゲンなど) |
ソフウェーブが働きかけるのは、この表の一番上の層です。真皮のハリが落ちて皮膚がゆるんでいる状態には力を発揮しますが、支持構造の弛緩が主体の方に同じ治療を重ねても、期待どおりの変化は得にくいでしょう。
6-2. 向いている方と、慎重に考えたい方
診察では、皮膚をつまんだときの戻り方、笑ったときの動き方、横になったときの変化などを見ながら、どの層が主因かを見極めていきます。おおまかな傾向としては、次のように整理できます。
- 向いていることが多い方:皮膚のゆるみが中心で、毛穴や肌質の変化もあわせて整えたい方。ダウンタイムを長く取れない事情があり、緩やかなリフトアップを望まれる方。以前に外科的なリフト手術を受け、その後の軽いゆるみが気になっている方。
- 慎重に考えたい方:脂肪の厚みや支持構造の下垂が主体の方。皮膚の余りが大きい方。照射部位に炎症がある方。
もっとも、これは「このタイプにはこの施術」と機械的に割り振れるものではありません。実際には複数の要因が重なっていることがほとんどで、割合をどう見るかによって進め方は変わります。数値のマニュアルではなく、医師が実際に触れて判断すべき領域です。
渡韓での施術で難しいのは、この見極めを短い時間で、しかも言語の壁を越えて共有しなければならない点にあります。適応がはっきりしている方ほど、渡韓での施術は成立しやすいとも言えるでしょう。
6-3. 単独で完結させず、必要最小限を組み合わせる
複数の層に変化が出ている場合、一つの治療ですべてを解決しようとすると、どこかに無理が生じます。当院では、照射治療・注入治療・外科的治療を、その方の状態に応じて組み合わせてご提案しています。外科と非外科の両方を扱えることが、選択肢を狭めずに済む理由です。
複合治療は「たくさん治療すること」ではありません。それぞれの治療を必要最小限の範囲にとどめ、担当する層を分けることで、かえって全体の量を抑えられる場合があります。詳しい治療の選択肢は[しわ・たるみ・ほうれい線の治療一覧]にまとめています。
そして、「今は治療しない」という選択肢も同じ土俵に置いています。皮膚のゆるみがまだ軽い段階で照射を重ねても、変化を実感しにくいことがあります。
頬のボリュームが豊かな顔立ちの方では、無理に引き締めることでかえって印象が硬くなる場合もあります。何もしない時期を挟むことも、立派な治療方針の一つです。
第7章 韓国のソフウェーブについてよくある疑
渡韓を検討されている方から、カウンセリングで実際にいただくことの多い質問をまとめました。
「韓国で受けるソフウェーブと、日本のソフウェーブは同じ機器ですか?」
ソフウェーブはイスラエルのメーカーが製造する機器ですので、正規の機器であれば本体そのものに国による違いはありません。異なるのは、その機器を取り巻くルールです。
日本では2025年4月に薬事承認され、あわせて3学会の適正使用指針により、施術者はトレーニングを受講した医師に限られています。韓国には韓国の制度がありますので、同じ機器でも運用の枠組みが違うとお考えください。「韓国製の別の機器ではないか」というご心配については、施術室で本体を確認させてもらうのが最も確実です。
「渡韓の何日前・何日後に予定を空けておけばよいですか?」
ソフウェーブは、翌日から通常どおり過ごせるのが標準的な経過です。そのため、帰国日の前日に受けても日程上の支障は生じにくい治療だと言えます。
ただし、帰国直後に人前に立つ重要な予定があるのでしたら、4日程度の余裕を見ておくと安心でしょう。また、施術当日は強い日焼けや飲酒を避けていただくのが一般的です。観光の予定が詰まっている日と重ねない方が、落ち着いて過ごせます。
「韓国でハイフとソフウェーブを同じ日に受けるプランを勧められましたが、受けても問題ありませんか?」
複数の照射治療を同じ日に行うこと自体は、実際に提案されている組み合わせです。狙う層が違う機器を併用する考え方には、医学的な理屈があります。
ただ、私自身は初めての方に対しては、時期をずらすことをお勧めすることが多くあります。同じ日に重ねると、効果も反応もどちらの治療によるものか判別できなくなるためです。
次の判断材料を残しておくという意味で、順序立てて進める方が結果的に近道になると考えています。
「頬がこけるという話を聞きましたが、ソフウェーブでも起こりますか?」
頬こけは、脂肪層に過量の照射が行われた場合に、脂肪が収縮して生じうる変化として知られています。ソフウェーブが熱を届けるのは真皮であり、深い脂肪層に大きなエネルギーを集める治療とは前提が異なります。
先ほどご紹介した韓国からの報告でも、脂肪の萎縮や持続する紅斑などの有害事象は認められなかったとされています。とはいえ、どのような施術にも一定のリスクは残ります。もともと頬の脂肪が少ない方は、その旨を診察時に必ずお伝えください。
「韓国で受けたあと、日本のクリニックで続きを相談できますか?」
ご相談いただくことは可能です。当院にも、海外で受けた施術の経過について来院される方がいらっしゃいます。
その際に助けになるのが、施術の記録です。照射した部位・照射数・出力・使用した機器名が分かれば、そこから次の判断を組み立てられます。逆に、記録が何も残っていない場合は、現在の状態を診るところから始めることになり、時間がかかります。渡韓される方には、施術後に記録を受け取っておくことを強くお勧めしています。
第8章 ソフウェーブの渡韓前チェックと、帰国後に相談できる場所をつくるという考え方
最後に、韓国での施術を選ぶかどうかにかかわらず、渡韓前に手元で整えておきたいことをまとめます。ここまで読み進めていただいた内容の、実践編にあたる部分です。
8-1. 渡韓の前に、手元で整えておきたい5つのこと

- 機器名を本体で確認する準備をする:メニュー名ではなく機器名を尋ね、施術室で本体を見せてもらえるかを予約時に確認しておきます。
- 照射する部位と照射数を、数字で確認する:「顔全体」といった言葉ではなく、どの部位にいくつ照射するのかを、施術前に共有しておきます。
- 施術の記録を受け取る約束をしておく:部位・照射数・出力・機器名が分かる記録を、書面かデータで残してもらいます。
- 同日に重ねる治療を絞る:初回であれば、判断材料を残すために治療を一つに絞ることを検討します。
- 帰国後の相談先を、渡韓前に決めておく:効果が出るのは数か月後です。その頃に相談できる場所を、先に持っておきます。
5つのうち、最も見落とされやすいのが最後の項目です。渡韓の準備は「行く前」に集中しがちですが、ソフウェーブという治療の性質上、判断の山場は帰国してから数か月後に訪れます。
8-2. 治療を受ける場所と、経過を診てもらう場所は、分けて考えてよい
私がお伝えしたいのは、「日本で受けるべきだ」という結論ではありません。施術を受ける場所と、その後の経過を診てもらう場所は、必ずしも同じである必要はない、ということです。
韓国で照射を受け、帰国後の経過や次の一手は国内で相談する。この形は十分に現実的で、実際にそうしている方もいらっしゃいます。大切なのは、その窓口を渡韓前に決めておくことです。何かが起きてから探し始めると、選択肢が狭まってしまいます。
院長の土屋は、東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院や国立がん研究センターなどで形成再建外科の研鑽を積みました。現在は医学博士・美容外科学会専門医として診療にあたっています。
当院には女性医師が複数在籍しており、他院で受けた施術のご相談や合併症への対応には院長が中心となって応じます。組織の修復を扱ってきた背景があるからこそ、修正が可能な状態なのか、経過を待つべき状態なのかの見極めを大切にしています。
すなおクリニックでは、流行や価格の話から入るのではなく、まずご自身のたるみがどの層から来ているのかを知るところから始めています。無理な勧誘や治療の押しつけはいたしません。
渡韓を迷っている段階でも、韓国で受けたあとの段階でも、判断材料を一緒に整理するお手伝いはできます。海外で受けるという選択も含めて、あなたが納得して選べることを願っています。
執筆・監修:土屋すなお(すなおクリニック院長/医学博士・美容外科学会専門医)
2003年に東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院・国立がん研究センター等で形成再建外科の研鑽を積む。現在は京都・四条河原町のすなおクリニック院長として、外科と非外科の双方を用いた「やりすぎない」美容医療を実践し、他院で受けた施術の修正・合併症対応にも継続的に取り組んでいる。
この医師が監修しました
土屋すなお Sunao Tsuchiya
すなおクリニック院長・日本形成外科学会認定専門医
フェイスリフトと注入・顔の手術のスペシャリスト。美容医療における「やりすぎない」自然な美しさと調和を重視し、 患者一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない治療法を提案しています。
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土屋 沙緒
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医師としての視点で見る美容の裏側や、院長個人の考え、日常の出来事についてはnoteで発信しています。











