お電話から予約する

どちらの番号でもご予約を承っております

WEBから予約する

閉じる

お電話から予約する

無理な治療の押しつけはいたしません。
お一人お一人のお悩みに真摯に向き合います。

どちらの番号でもご予約を承っております

  • ※12時から13時の間は繋がりにくいことがございます。
  • ※予約フォームやLINEのご予約は24時間対応しております。
    (営業時間外のご対応については翌営業日にご返信させていただきます)

美容施術解説

ミラドライで後悔しないために|順番から考えるやりすぎない治療の選び方

土屋すなお このコラムを書いた医師 土屋すなお Sunao Tsuchiya 院長/医師・医学博士/ 日本形成外科学会認定専門医/日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医

「高い費用を払ったのに、汗もにおいも思っていたほどは変わらなかった」「受けた直後は良かったのに、夏になってまた気になり始めた」……。このようなお悩みをお持ちではありませんか?

ワキガ(腋臭症/えきしゅうしょう)やわき汗のご相談を丁寧に伺っていくと、原因が施術そのものにあるとは限らないことが見えてきます。多くの場合、問題はもっと手前にあります。

何を治したかったのか、そしてどの順番で試してきたのかが定まらないまま照射を受けている、というケースです。

本記事では、先に結論をお伝えします。ミラドライで後悔するかどうかは、機器の性能や当日の出来栄えより前に、「においと汗のどちらを治したいのか」「どの順番でここまで来たのか」で大きく分かれます。

形成外科専門医の視点から、診療ガイドラインが示す位置づけ、12か月後までを追った臨床データ、そして元には戻らない変化まで、エビデンスに基づいて詳しく解説します。

 

第1章 ミラドライの後悔は「効果」より先に「順番」で決まります

 

この章では、後悔として語られる内容を整理したうえで、医学的にミラドライがどの位置に置かれている治療なのかを確認します。ここが理解できると、残りの章はすべて枝葉として読めるようになります。

 

1-1. 後悔として語られている内容は3つに分かれます

後悔の3つのパターン

カウンセリングで「前に受けて後悔した」と伺う内容は、突き詰めると次の3種類に整理できます。

 

後悔の型

語られ方

実際に起きていること

目的のズレ 

においが消えると思っていた

治したかったのはにおいだが、汗を減らす治療として受けていた

期待値のズレ

ゼロになると思っていた

軽くなってはいるが、想定していた到達点が高かった 

順番のズレ

もっと手前で足りたかもしれない 

負担の小さい方法を試さないまま、大きな手段から入った

 

注目していただきたいのは、3つとも照射がうまくいったかどうかとは別の次元の話だという点です。施術は問題なく終わっているのに後悔が残る。この構造を知らないまま「腕の良い医師を探す」という方向に進むと、同じことが繰り返されます。

臨床現場でお会いするのも、失敗というより「順番を飛ばしてしまった」方が中心です。カウンセリングの段階で気づけていれば避けられた後悔が、少なくないのです。

 

1-2. 診療ガイドラインはミラドライをどこに置いているか

 

ここで、日本皮膚科学会の[原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版]を見てみます。ミラドライはマイクロ波を用いた機器であり、同ガイドラインでは「機器による治療」として扱われています。

腋窩(えきか=わきの下)多汗症の診療アルゴリズムにおいて、機器による治療には「保険適用外かつ、既存治療が無効であった場合に十分なインフォームドコンセントの上行う」という条件が付されています。

推奨度は条件付きのC1です(原発性局所多汗症診療ガイドライン策定委員会. 日皮会誌, 133(13), 3025-3056, 2023.)。

同ガイドラインは、治療の進め方についても明確に述べています。「治療は多汗の部位により、患者にとって侵襲が少なく、治療費用負担が少ないものから段階的にすすめられることが推奨される」という一文です。

つまりミラドライは、最初に検討する治療としては位置づけられていません。外用薬や注射といった負担の小さい方法を経たうえで、それでも足りない場合の選択肢として置かれているのです。

 

1-3. 「効果が不十分」という評価も慎重に読む必要があります

 

同じガイドラインのCQ8(機器による治療は多汗症に有効か?)には、マイクロ波などを用いた機器について「少数の小規模なエビデンスレベルIIの報告があるが、良質な報告とは言えず」と記されています。

そのうえで、システマティックレビューもないため「有効性と安全性に関する結論を引き出すには不十分」と結ばれています(同ガイドライン)。

これは「効かない」という意味ではありません。判断を下すのに十分な質と量の研究がまだ揃っていない、という趣旨です。実際、国内では重度の原発性腋窩多汗症に対する治療機器として薬事承認を取得した機器が存在すると同ガイドラインも記載しています。

エビデンスの成熟度がこの段階にある治療を受けるのであれば、期待値は控えめに置いておくほうが安全でしょう。ここを踏まえずに「切らずに一度で終わる」という理解だけで進むと、後悔の入口に立つことになります。

 

第2章 ミラドライで治したいのがにおいか汗かで後悔は分かれます

 

第1章で挙げた3つの型のうち、最も多いのが目的のズレです。ミラドライは汗とにおいの両方に働きかける治療ですが、承認の範囲と研究の蓄積は、この2つで大きく異なります。

 

2-1. 国内で承認されている範囲は「多汗症」です

 

ミラドライはマイクロ波を照射する機器です。皮膚に照射されたマイクロ波によって細胞内の水分子が振動し、熱が発生します。皮下組織がマイクロ波を反射することで汗腺のある部位にヒートゾーンが形成され、エクリン汗腺とアポクリン汗腺が焼灼・凝固されます。

表皮と真皮浅層は、ハイドロセラミック・クーリングによって保護される仕組みです。

働きかける対象には、においの元となるアポクリン汗腺も含まれます。一方で、前述のとおり国内での薬事承認は重度の原発性腋窩多汗症に対する治療機器として取得されたものです。承認の範囲という意味では、汗が主語になっています。

ここに認識のずれが生まれます。ワキガのにおいを消したくて来院された方が、汗を減らす治療として承認された機器を受け、その結果をにおいの尺度で採点する。これでは満足しにくいのも無理はありません。

 

2-2. においに対する結果を数字で確かめる

 

では、においに対してはどの程度の変化が報告されているのでしょうか。マイクロ波治療を受けた方を長期に追跡した調査があります。

平均38か月(範囲12〜52か月)が経過した時点で、においの減少という効果を実感していたのは67%、施術後にデオドラント製品を必要としなくなったのは54%でした。発汗の減少は61〜70%と報告されています(Lin MJ, et al. J Cosmet Laser Ther, 23(3-4), 49-51, 2021.)。

ただし、この報告の限界も併せてお伝えしなければなりません。回答を得られたのは18名のみで、電話による聞き取り調査です。数値をそのままご自身の結果として当てはめられる規模ではありません。

それでも、この数字は一つの現実を示しています。においへの効果を実感した方が3人に2人程度であるならば、残りの方は「思ったほどではなかった」と感じたということです。

においが主訴の方は、この可能性を織り込んだうえで受けるかどうかを決める必要があるでしょう。

 

2-3. においが主訴なら、手術という選択肢が残っています

 

ワキガのにおいの元となるアポクリン汗腺を医師が目で確認しながら直接取り除く方法が、切開手術(剪除法/せんじょほう)です。熱で凝固させるミラドライと違い、汗腺そのものを摘出します。

当院でも、わきが・わきの多汗症を最も根本的に治療できる方法として位置づけています。

片わき約30分程度の日帰り手術で、局所麻酔にはウォーターダイセクション法を用いています。ただし術後は腋窩に綿を固定し、その部分を1週間水に濡らすことができません。傷あとも残ります。

私がお伝えしたいのは、手術のほうが優れているということではありません。においを主訴とするなら、切らない方法だけで検討を終わらせないほうがよいということです。「切らずに済む」を最優先にした結果、目的に届かず後悔する。この流れは決して珍しくありません。

各治療の内容は当院の[わきが・わき汗治療のページ]でもご覧いただけます。

 

第3章 ミラドライの効果が「落ちた」「戻った」と感じる時期に何が起きているのか

 

再発や臭い戻りは、後悔として最もよく語られる内容の一つです。ここは数字で見ていくと、印象とは違う姿が浮かび上がります。

 

3-1. 12か月後のデータが示していること

3カ月と12カ月の効果比較

先ほどのガイドラインには、国内から報告されたエビデンスレベルIIの研究が紹介されています。26名が片方の腋窩にのみ1回のマイクロ波治療を受け、もう片方を対照として12か月間比較したものです(Kaminaka C, et al. Lasers Surg Med, 51, 592-599, 2019.)。

結果を整理すると、次のようになります。

 

評価指標

3カ月時点

12カ月時点

重症度スケールが2ポイント以上改善した割合

83.3%(対照5.6%)

38.9%(対照16.7%・有意差なし)

汗の重量が75%以上減少した割合

75.0%(対照29.2%)

70.8%(対照33.3%・有意差あり)

 

同じ人たちを追っているのに、評価の物差しを変えると見え方が変わります。ご本人の自覚に基づく重症度スケールでは12か月時点で差が小さくなる一方、実際に測った汗の量では差が保たれているのです。

なお、治療した側での再発は12か月時点で24名中3名(12.5%)に観察され、深刻な副作用はなかったと報告されています。

 

3-2. 「汗腺は再生しない」と「感じ方が変わらない」は別の話です

 

ガイドラインは、マイクロ波による発汗の抑制効果について「永続的である」と記載しています。加熱によって変性した汗腺が元に戻るわけではない、という趣旨です。

ではなぜ再発したと感じる方がいるのでしょうか。考えられる理由の一つは、前項のデータが示すとおり、測った汗の量と、ご本人が受け取る感覚が必ずしも一致しないことです。

照射範囲の外側に残った汗腺の働きや、その時々の気温・体調・緊張の度合いによっても、感じ方は変わります。

もう一つは、比較の対象が施術直後になっている点です。腫れが引いていく過程では汗が出にくい時期があり、そこを基準にしてしまうと、落ち着いた後の状態が後戻りのように感じられることがあります。

臨床現場では、再発したとおっしゃる方に受けた当時の状況を伺うと、実際には施術前より軽くなっているものの、想定していた水準に届いていないというケースにしばしば出会います。効果の有無ではなく、到達点の置き方が問題になっているのです。

 

3-3. 2回目を検討するタイミング

 

多くの方は1回の施術でご満足いただけます。それでもさらに効果を望まれる場合には、3か月以降に医師の診察のもとで2回目を検討することがあります。

3か月という期間には理由があります。組織の反応が落ち着き、効果を正しく評価できるようになるまでに、それだけの時間がかかるためです。判断を急ぐと、まだ変化の途中である状態を「効果がなかった」「再発した」と結論づけてしまいかねません。

なお2回目を受けるかどうかは、費用の話と切り離せません。この点は第5章で扱います。

 

第4章 ミラドライのダウンタイム|起こりうる変化と、元に戻らない変化

 

副作用の説明は多くの記事に載っています。ここではダウンタイムの頻度と続く期間、そして元に戻らない変化という観点を加えて整理します。

 

4-1. どのくらいの割合で、どのくらい続くのか

ダウンタイムの症状と期間

前述の長期調査では、有害事象の内訳も報告されています。内出血67%、痛み56%、腫れ44%、しびれ28%、しこり22%という頻度です。そして副作用の66%は2週間以内に、すべてが12週間以内に消失しています(Lin MJ, et al. J Cosmet Laser Ther, 23(3-4), 49-51, 2021.)。

18名という小規模な調査に基づく数字ですので、そのまま確率として受け取ることはできません。それでも、ダウンタイムについて次の2点は読み取れるでしょう。

 

  • 頻度: 内出血や痛みは例外的な出来事ではなく、多くの方が経験する範囲の変化です。
  • 期間: しこりやしびれは数週間から3か月程度かけて落ち着いていく経過をたどることが多いといえます。

 

当院では、腫れ、痛み、照射時の吸引による赤み、照射部分の脱毛が生じうることをご説明しています。頻度は高くありませんが、感染や炎症後色素沈着(PIH:post-inflammatory hyperpigmentation)、水ぶくれが起こる場合もあります。

施術後には抗生剤と鎮痛剤を処方し、経過を確認しています。

照射の当日からシャワーは可能で、多くの方が翌日から日常生活に復帰されます。入浴や激しい運動は1週間程度お控えいただきます。ダウンタイムそのものは長く続くものではありませんが、腫れが目立つ時期の予定だけは調整しておくと安心です。

 

4-2. 脱毛は「戻らない変化」として先に決めておく

 

見落とされがちなのが、照射部分の脱毛です。汗腺と毛根は近い層に存在するため、汗腺を加熱すると毛にも影響が及びます。

これを歓迎される方は少なくありません。一方で、わきの毛を残しておきたい方にとっては、後から取り消せない変化になります。汗やにおいの結果には満足しているのに、この一点だけが心残りだったとおっしゃる方にお会いすることがあります。

汗やにおいは、程度の問題として後から手を打つ余地があります。しかし失われた毛はそうではありません。戻らない変化かどうかで分けて考えるというのが、後悔を減らすうえで有効な視点です。同意書に署名する前に、この項目だけは別枠でご検討ください。

 

4-3. リスクの所在は「わき」ではなく麻酔と出力にあります

 

わきの下には腕神経叢(わんしんけいそう)から分かれた神経が走っています。マイクロ波治療の後に橈骨(とうこつ)神経・正中(せいちゅう)神経・尺骨(しゃっこつ)神経の障害が生じ、数か月から1年後まで持続したとする報告が数件あることも、ガイドラインには記されています。

ここで大切なのは、この報告が症例報告(エビデンスレベルV)として蓄積されたものであり、頻度の高い出来事ではないという点です。そのうえでガイドラインは、これらの報告を踏まえた対策として、痩せ型の方では神経損傷のリスクを考え、局所麻酔を確実に行うことと、エネルギーレベルを低く設定することを推奨しています。

つまりリスクの所在は「わきという部位が危険だから」ではありません。麻酔で層を確保できているか、出力を状態に合わせて調整できているかという、医師の知識と技術の側にあります。

当院がミラドライの局所麻酔にウォーターダイセクション法を用いているのも、この層の確保を重視しているためです。

なお、他部位の汗が増える代償性発汗については、同ガイドラインでは胸部交感神経遮断術(ETS)の合併症として論じられており、マイクロ波療法の合併症としては記載がありません。

ただし記載がないことは、汗の感じ方が変わらないと保証するものではないとご理解ください。

照射の流れや当日の注意事項は、当院の[ミラドライ治療のページ]でご案内しています。

 

第5章 ミラドライの費用で後悔しないために|総額で考えるという発想

 

費用の後悔は「高かった」という感想の形をとりますが、内訳を伺うと、総額を想定していなかったことに行き着く場合がほとんどです。

 

5-1. 当院の料金

 

当院のミラドライの料金は以下のとおりです(すべて税込)。

 

プラン

1回目

2回目以降(1年以内)

ドクタープラン(女性医師・ウォーターダイセクション法)

¥349,800 

¥235,125

Nプラン(看護師・ウォーターダイセクション法)

¥198,000

¥161,700

クロスプラン変更(1回目Nプラン→2回目医師プラン)

ー

¥313,500

 

汗の量が主体のお悩みに対しては、ボツリヌス療法という選択肢もあります。

 

製剤

軽度多汗症60U

中等度多汗症80U 

重度多汗症100U

ボトックスビスタ(アラガン社・アメリカ)

¥99,000

¥110,000

¥121,000

ゼオミン(メルツ・ファーマ・ドイツ)

¥99,000

¥110,000

¥121,000

ナボタ(デウン製薬・韓国)

¥71,500

¥82,500

¥99,000

ミラドライアフターフォロー(ボトックスビスタ/ゼオミン) 

¥79,200

¥88,000 

¥96,800

ミラドライアフターフォロー(ナボタ)

¥35,750

¥35,750

¥49,500

 

手術と外用については次のとおりです。

 

 剪除法(手術): 片側 ¥165,000

 パースピレックス(ワキ用): ¥5,830

 

麻酔料金は上記に含まれています。施術後の内服薬・外用薬は別途料金となり、土屋医師の指名料は施術費用に加えて10%をいただいています。詳細は[わきが・わきの多汗症治療の料金一覧]でご確認ください。

なお当院では、2025年8月以降にミラドライを受けられた方を対象としたアフターフォロープランをご用意しています。治療後5年間、年1回合計5回まで、韓国製ボツリヌス毒素注射を半額でご提供する内容です(他製剤は20%オフ)。

 

5-2. 2回目まで含めた総額を先に置いてみる

2回目まで含めた総額

第3章でお伝えしたとおり、多くの方は1回でご満足いただけますが、2回目を検討する場合があります。判断していただきたいのは、その可能性が現実になったときに納得できる金額かどうかです。

1回目の金額だけを見て決め、後になって2回目の見積もりを聞いて驚く。この順序で進むと、施術の結果とは無関係に費用への不満が残ります。当院がクロスプラン変更の金額まで公表しているのも、この想定を最初にしていただくためです。

費用の後悔は、比較検討の段階でしか防げません。受けた後に金額を動かすことはできないからです。

 

5-3. 保険が使えるかどうかだけで決めないという考え方

 

費用に関して、もう一点だけ触れておきます。剪除法はワキガ(腋臭症)と診断された場合に保険が適用されると説明されており、ボツリヌス療法にも重度の原発性腋窩多汗症では保険適用があります。当院は自由診療を専門としており、保険診療は行っておりません。

前出のガイドラインは、この点について踏み込んだ記述をしています。費用や身体への侵襲度・簡便さ、治療効果などを検討すると「必ずしも保険適用の有無のみで治療方針を決定できない」という一文です。

保険の可否は、その治療がご自身に合っているかどうかとは別の軸にあります。制度から入るのではなく、目的と負担から決めていただくほうが、結果として納得につながりやすいと考えています。

 

第6章 ミラドライを受ける前に決めておきたい「引き返せる順番」

 

ここまでの内容を、実際の進め方に落とし込みます。後悔を減らす鍵は、引き返せる手段から順に試すことにあります。

 

6-1. 目的を汗とにおいに分けて言葉にする

 

最初にしていただきたいのは、ご自身の悩みを2つに仕分けることです。

 

  • 汗が主体: シャツの汗じみ、書類が濡れる、人前で腕を上げるのがためらわれる。
  • においが主体: 脱いだ衣類のにおい、家族からの指摘、密着した距離での不安。
  • 両方: 汗をかいた後に、においも強くなる。

 

この仕分けが済んでいるだけで、カウンセリングでの話は具体的になります。汗が主体なら外用薬や注射から、においが主体なら手術も含めた比較から、それぞれ検討の入口が変わるためです。

 

6-2. 負担の小さい手段から順に確かめる

引き返せる治療の順番

ガイドラインが示す「侵襲が少なく、治療費用負担が少ないものから段階的に」という考え方を、実際の順序に置き換えると次のようになります。

 

  1. 市販の制汗剤を見直す: 使い方と製品を変えるだけで足りる方もいらっしゃいます。
  2. 医療機関の外用薬を一定期間試す: 当院ではパースピレックス(ワキ用)を¥5,830でご用意しています。
  3. 汗が主体ならボツリヌス療法を検討する: 効果は注射後2〜3日後から現れ、その後4〜9か月(平均6か月)持続します。繰り返しが前提となる治療です。
  4. ここまでで足りなければミラドライを検討する: 両わきで準備から照射終了まで60〜75分程度です。
  5. ワキガのにおいが残るなら手術を検討する: 汗腺を直接取り除く方法です。

 

途中で「ここで十分」と感じた時点で止めていただいて構いません。上に進むほど得られる変化は大きくなりますが、引き返せる余地は小さくなります。

 

6-3. 「今回は受けない」という結論も選択肢に入れる

 

私は、診察でにおいや発汗が確認できない方に施術をお勧めすることはしません。ご本人の訴えの強さと、診察での所見が一致しないケースは実際にあるためです。

「やりすぎない」という考え方は、変化を小さく抑えることではなく、悩みの大きさに手段の大きさを合わせることだと私は捉えています。段階を一つずつ確かめた結果、ミラドライまで進まずに落ち着く方がいらっしゃいます。

それは治療の失敗ではなく、適切な着地点です。

当院には女性医師が複数在籍しており、わきのご相談についてはカウンセリングからアフターケアまで女性のスタッフが対応します。年齢は15歳以上から承っており、未成年の方は保護者の同意が必要です。

 

第7章 ミラドライの後悔についてよくある質問

 

診察でよくいただくご質問にお答えします。

 

 「1回で終わらせたいのですが、可能でしょうか?」

多くの方は1回の施術でご満足いただいています。ただし、さらに効果を望まれる場合には3か月以降に2回目を検討することがあり、必ず1回で完結すると申し上げることはできません。2回目まで含めた費用を想定したうえでご判断ください。

 

 「においは完全になくなりますか?」

完全になくなると保証することはできません。アポクリン汗腺の分布には個人差があり、凝固の程度にも幅があるためです。長期の調査では、においの減少を実感された方が67%と報告されています(Lin MJ, et al. J Cosmet Laser Ther, 23(3-4), 49-51, 2021.)。

においを軽くすることを目標に考えていただくのが妥当でしょう。

 

 「痛みはどのくらいですか?」

局所麻酔を行いますので、照射中の強い痛みは通常ありません。ただし麻酔の注射時には痛みを伴います。術後にも痛みや腫れが生じることがあるため、鎮痛剤を処方します。

長期調査では痛みを経験した方が56%と報告されていますが、ダウンタイムの多くは2週間以内に落ち着くとされています。

 

 「わきの毛はどうなりますか?」

照射部分に脱毛が生じることがあります。歓迎される方が多い一方で、毛を残しておきたい方にとっては後から取り消せない変化です。この点は施術前に必ずご確認ください。

 

 「他院でミラドライを受けましたが、変化を感じられません。どうすればよいでしょうか?」

まずは現在の状態を診察で確認するところから始めます。照射から3か月が経過していない場合は、評価にはまだ早い時期です。経過を見たうえで、追加の照射が適切か、あるいは手術など別の手段が適切かをご一緒に考えます。

 

 「仕事はどのくらい休む必要がありますか?」

照射の当日からシャワーが可能で、多くの方が翌日から日常生活に復帰されています。入浴や激しい運動は1週間程度お控えいただきます。腫れが気になる時期がありますので、人前に立つ予定は少し余裕をもって組んでいただくと安心です。

 

 「受けられない場合はありますか?」

照射する部分の皮膚が傷ついていたり、肌荒れを起こしていたりする場合には照射ができません。脇毛は前日までに剃毛していただくようお願いしています。

 

第8章 すでにミラドライを受けた方へ|後悔したときに残されている選択肢

 

最後に、これから検討される方だけでなく、すでに受けて後悔している方に向けてお伝えします。受けてしまった以上どうにもならない、と考えて相談をためらう方が少なくないためです。

 

8-1. 時期によって、できることが変わります

 

同じ「思ったほどではない」というご相談でも、照射からの経過時間によって取り得る手段は変わります。

 

照射からの時期

まず確認すること

検討できること

〜3か月

腫れやしこりの経過が正常か

判断を急がず経過を見る

3か月〜

汗とにおいのどちらが残っているか

2回目の照射/別の手段

1年〜

施術前と比べてどう変わったか 

汗が主体なら注射、においが主体なら手術

 

一度受けた治療の結果に納得できないとき、同じ手段を繰り返すことだけが答えではありません。汗が残っているのか、ワキガのにおいが残っているのかで、次の一手は変わります。

効果を測る物差しを取り違えたまま2回目に進むと、同じ後悔をもう一度重ねることになりかねません。

 

8-2. 他院で受けた治療のご相談について

 

他院で受けた治療の結果や、生じた症状にご不安を抱えてお越しになる方がいらっしゃいます。院長の土屋は形成再建外科での経験を持ち、当院では他院で受けた施術の修正・合併症のご相談にも対応しています。

しこりや色素沈着、傷あとの状態はお一人ずつ異なります。まずは現在の状態を確認することが出発点であり、無理に次の治療をお勧めすることはありません。経過を見守るという結論になる場合もあります。

 

8-3. 京都・すなおクリニックがわきのご相談で大切にしていること

 

院長の土屋は、2003年に東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院や国立がん研究センター等で形成再建外科の研鑽を積み、現在は医師・医学博士・美容外科学会専門医として診療にあたっています。

当院には女性医師が複数在籍し、外用・注射・照射・手術のいずれもご用意しているため、一つの手段に寄せずに順番からご提案できることを強みと考えています。

流行や広告の勢いで手段を決めるのではなく、目的と負担を照らし合わせて選ぶ。無理な勧誘や治療の押しつけはいたしません。ミラドライを受けるかどうかを決める前でも、あるいはすでに受けて迷っている段階でも、まずはカウンセリングでご自身の状態を正しく知ることから始めてみませんか。

後悔は、結果ではなく順番から生まれます。あなたが次の一歩を選ぶうえで、この記事が手がかりになれば幸いです。

 

執筆・監修:土屋すなお(すなおクリニック院長/医師・医学博士/美容外科学会専門医)

東京大学医学部医学科を2003年に卒業。東京大学医学部附属病院・国立がん研究センター等で形成再建外科の経験を積み、現在は京都・四条烏丸の京都・すなおクリニックにて、外科と非外科を組み合わせた美容医療を行っています。他院で受けた施術の修正・合併症対応にも取り組んでいます。

この医師が監修しました

土屋すなお Sunao Tsuchiya

すなおクリニック院長・日本形成外科学会認定専門医

フェイスリフトと注入・顔の手術のスペシャリスト。美容医療における「やりすぎない」自然な美しさと調和を重視し、 患者一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない治療法を提案しています。

前の投稿

ミラドライで後悔しないために|順番から考えるやりすぎない治療の選び方

次の投稿

ミラドライで後悔しないために|順番から考えるやりすぎない治療の選び方

最近の投稿

2026/10/02

「骨っぽさ」をやわらげるヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸

2026/09/25

ほうれい線の改善➡ほうれい線へのヒアルロ

ヒアルロン酸

2026/09/24

胸のアクアフィリング除去 ― 悩んでいる

他院修正・美容医療後遺症外来

もっと見る

土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya

医師としての視点で見る美容の裏側や、院長個人の考え、日常の出来事についてはnoteで発信しています。

note

タグ

まずは
お気軽にご相談ください

お電話から予約する
WEBから予約する

医師勤務予定表

診察時間(受付時間)

日 月 火 水 木 金 土
休診日 10:00~19:00 9:30~18:00 10:00~18:00 9:30~17:30 9:30~18:00 9:40~18:00
LINE予約 初診予約 再診予約
LINE予約 電話予約 初診予約 再診予約
ページトップ