美容施術解説
ミラドライのダウンタイムはいつまで続く?4つの時間軸で見る術後経過
2026/10/09
「ミラドライを受けたいけれど、仕事を何日休めばよいのか分からない」「腫れて腕が上がらなくなると聞いて不安です」「痛みはいつまで続くのでしょうか」……。ミラドライを検討されている方から、このようなご相談をよくいただきます。
ミラドライのダウンタイムが分かりにくいのには、理由があります。ダウンタイムという一つの言葉が、性質の違う複数の変化を一括りに指してしまっているからです。
腫れが引く時期、内出血が薄れる時期、皮膚の下のしこりが柔らかくなる時期、感覚の鈍さが戻る時期は、それぞれ別の速さで進みます。「ミラドライのダウンタイムは◯日」という一つの数字に押し込めようとするから、情報がかみ合わなくなるのです。
結論から申し上げると、多くの方は翌日から日常生活に戻れます。ただし、それは「すべての変化が翌日に消える」という意味ではありません。
本記事では、ミラドライのダウンタイムを4つの時間軸に分けたうえで、仕事・入浴・運動を戻していく目安、経過が順調かどうかを見分ける視点までを、形成外科専門医の立場から詳しく解説します。日程を組み立てるための材料としてお使いください。
第1章 ミラドライのダウンタイムはいつまで続くのか|翌日から動けるという結論
まず全体像からお伝えします。ミラドライは皮膚を切らない治療ですので、生活が止まる期間は短く済みます。一方で、照射を受けた組織が回復するまでには、もう少し長い時間が必要です。
1-1. 多くの方は翌日から日常生活に戻れます
当院では、照射の当日からシャワーが可能とご案内しています。そして多くの方が、翌日から日常生活に復帰されています。通勤や通学など、普通に過ごすぶんには大きな影響はありません。
一方で、入浴や激しい運動は1週間程度お控えいただきます。軽い運動や日常の動作は数日後から戻していただけますが、わきをこする動作や強い摩擦を伴う行為は1週間ほど空けていただくのが安心です。
つまりミラドライのダウンタイムは、「動けない期間」ではなく「少しだけ気をつけて過ごす期間」に近いものだとお考えください。仕事を長く休む前提で日程を組む必要は、多くの場合ありません。
1-2. 「切らない」ことでダウンタイムから何が消えるのか
ミラドライのダウンタイムが短い理由は、治療の性質そのものにあります。マイクロ波を皮膚の外から照射する治療ですので、切開手術で必要になるいくつかの工程が、まるごと不要になるのです。
- わきを固定する期間がない: 切開手術(剪除法=せんじょほう)では術後に腋窩(えきか=わきの下)を綿で固定し、その部分を1週間水に濡らせません。ミラドライではこの工程がありません。
- 抜糸のための通院がない: 縫合創がないため、抜糸の日程を確保する必要がありません。
- 腕の動きに制限がかからない: 創部がないため、腕を使えない期間もありません。
生活に本当に響くのは、この3つの有無です。ダウンタイムの長短は、腫れの強さよりも「腕と皮膚をどれだけ拘束されるか」で決まると言い換えてもよいでしょう。ミラドライを選ぶ方の多くが挙げる理由も、効果の大きさより、この拘束の少なさにあります。
マイクロ波が汗腺にどう働くのかという仕組みについては、[ミラドライの治療内容]のページにご説明を載せています。
1-3. 施術当日の流れと、麻酔が切れてからの数時間
当院のミラドライは、局所麻酔、マーキング、照射、冷却という流れで進みます。両わきで、準備から照射終了まで60〜75分程度が目安です。照射中は局所麻酔が効いていますので、強い痛みを感じることはほとんどありません。
ご説明しておきたいのは、施術が終わってからの数時間です。実際に施術を行っていると、麻酔が切れてくる時間帯から痛みを感じ始めたとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
夜にかけて重だるさが出て、翌朝には和らいでいた、という経過はよく伺うところです。
そのため当院では、施術後にアイスパックをお渡しし、痛み止め、抗生剤、軟膏を処方しています。「痛くなってから考える」のではなく、帰宅後に冷却できる状態を整えてからお帰りいただくことを大切にしているためです。
ダウンタイムの体感は、この最初の一晩の過ごし方でかなり変わってくると言えるでしょう。
第2章 ミラドライのダウンタイムを4つの時間軸に分けて考える

ここからが本記事の中心です。ミラドライの後に起こる変化を、落ち着くまでの時間で4つに分けて整理します。同じ「ダウンタイム」でも、数日で終わるものと、数か月かけて戻るもの、そして戻らないものがあるという点が、日程を考えるうえで最も大切です。
以下の目安は、31名を対象とした報告に基づいています(Hong HCH, Lupin M, O’Shaughnessy KF. Dermatol Surg, 38(5), 728-735, 2012.)。
小規模な調査であり、2012年時点の照射条件による結果でもありますので、そのままご自身に当てはまる確率としては受け取らないでください。それでも、変化ごとに時間の流れが違うことは読み取れます。
|
時間軸 |
主な変化 |
落ち着くまでの目安 |
|
数日 |
腫れ・むくみ、赤み、照射時の吸引による痕、痛み |
数日から1週間程度 |
|
数週間 |
内出血、皮膚の下に触れるしこり |
しこりは中央値41日と報告 |
|
1~2か月 |
わきのしびれ、感覚の鈍さ |
中央値37日(4日〜4か月)と報告 |
|
戻らない場合がある |
照射部分の脱毛 |
時間では戻らないことがある |
2-1. 数日で落ち着く変化|腫れ・赤み・吸引の痕・痛み
最も多くの方が経験されるのが、腫れとむくみです。前述の報告では、浮腫は90%、赤みと吸引の痕は87%、不快感は84%の方に見られ、いずれも数日から1週間程度で落ち着いたとされています。
割合の数字だけを見ると身構えてしまいますが、これは「ほぼ全員に強い症状が出る」という意味ではありません。変化が起きていること自体はごく一般的で、その多くが数日で軽くなっていくと読むのが実態に近いといえます。
当院でも、腫れ・痛み・赤みは施術後数日間に見られうる変化としてご説明しています。
赤みや小さな痕は、照射の際にわきの皮膚を吸引して固定するために生じる症状です。やけどによるものではなく、時間とともに目立たなくなっていきます。
2-2. 数週間かけて薄れる変化|内出血と皮膚の下のしこり
次に、数週間の単位で薄れていく変化です。内出血は青あざのように見えますが、色を変えながら徐々に吸収されていきます。内出血の出方にも個人差があり、ほとんど目立たない方もいらっしゃいます。
わきは衣類で隠れる部位ですので、見た目の負担は比較的小さい場所だといえるでしょう。
もう一つが、皮膚の下に触れるしこり(硬結=こうけつ)です。指で押すとコリコリとした硬さを感じるもので、前述の報告では71%に見られ、中央値41日で落ち着いたとされています。1か月以上残ることも珍しくありません。
「治療がうまくいかなかったのではないか」とご心配になる方がいらっしゃいますが、照射を受けた組織が反応している過程で生じるものと考えられています。硬さが残っている間も、日常生活の制限は基本的にありません。
2-3. 1〜2か月続くことがある変化|しびれと感覚の鈍さ
ダウンタイムの中で最も長引きやすいのが、しびれをはじめとする感覚の変化です。わきの感覚が鈍い、触れると膜が一枚あるように感じる、といったご相談を受けることがあります。
前述の報告では、わきの感覚の変化は65%に見られ、中央値37日、範囲は4日から4か月とされています。治療した側の腕にまで及んだ場合は中央値50日、範囲は6日から1年と、さらに幅がありました。腕や胸の腫れは中央値7日(2〜23日)です。
数字の幅が大きいことに注目してください。感覚の変化は「何日で戻る」と一つの数字で言い切れない項目です。多くは数週間から2か月ほどで薄れていきますが、それより長く感じる方もいらっしゃいます。
腕の力が入りにくいなど、感覚以外の症状を伴う場合は別の対応が必要になりますので、この点は第4章で改めてお伝えします。
なお、別の18名を対象とした調査では、副作用の66%は2週間以内に、すべてが12週間以内に消失したと報告されています(Lin MJ, et al. J Cosmet Laser Ther, 23(3-4), 49-51, 2021.)。こちらも小規模な報告ですが、大半が3か月以内には落ち着いていくという見通しは共通しています。
2-4. 時間では戻らない場合がある変化|照射部分の脱毛
4つ目は、時間の経過では戻らないことがある変化です。当院では、リスクとして照射部分の脱毛を必ずご説明しています。汗腺と毛根は近い層にあるため、汗腺に熱を加えると毛にも影響が及びます。前述の報告でも26%に脱毛が見られ、調査の終了時点でも続いていました。
ダウンタイムの記事でこの項目に触れているものは、実はあまり多くありません。しかし「待てば元に戻るもの」と「戻らない可能性があるもの」を分けておくことは、施術前の判断として重要です。
わきの毛が減ることを歓迎される方が多い一方で、残しておきたいというご希望をお持ちの方もいらっしゃいます。
腫れやしこりは待てば落ち着きます。脱毛はそうとは限りません。ダウンタイムの説明を聞くときは、この一点だけ別枠で考えていただくことをお勧めします。
第3章 ミラドライのダウンタイム中、仕事・入浴・運動はいつから戻せるか

ここからは、日常の動作をどの順番で戻していくかという実務的な話です。当院のご案内を軸に、生活の場面ごとに整理します。
|
場面 |
再開の目安 |
補足 |
|
シャワー |
照射の当日から可能 |
わきをこすらず、洗い流す程度に |
|
デスクワーク・通勤・通学 |
翌日から |
日常生活に大きな影響はありません |
|
軽い運動・家事 |
数日後から |
痛みや腫れの様子を見ながら |
|
入浴(湯船) |
1週間程度は控える |
温めることで腫れが強く出る場合があります |
|
激しい運動・脇への摩擦 |
1週間程度は控える |
汗をかく運動、こすれる動作を含みます |
3-1. 仕事と通学はいつから戻せるか
デスクワークや通勤・通学であれば、翌日から戻していただけるのが一般的です。わきは衣類で隠れる部位ですので、顔の施術のように「腫れが人目につく」という制約が生じにくいのも、この治療の特徴といえるでしょう。
一方で、腕を大きく上げ下げする動作が続く仕事や、汗をかく作業が多い環境では、最初の数日は無理をしないほうが快適に過ごせます。カウンセリングでは「休みを何日取るべきか」というご質問をよくいただきますが、当院では1日だけ余裕を持たせておくことをお勧めしています。
翌日から働ける方が大半でも、症状の出方には個人差があるためです。
3-2. シャワーと入浴の再開
シャワーは照射の当日から可能です。わきをゴシゴシと洗うのは避けて、泡で優しく流していただければ問題ありません。
湯船につかる入浴は、1週間程度お控えいただきます。理由は清潔の問題ではなく、体を温めることで腫れや痛みが強く出る場合があるためです。同じ理由で、サウナや長時間の入浴も同じ時期は避けていただくのが無難です。
なお「入浴を控える期間」はクリニックによって案内が異なります。他院で治療を受けられる場合は、その医療機関の指示を優先してください。
3-3. 運動と、わきをこする動作
軽い運動や日常の動作は数日後から戻していただけます。激しい運動やわきへの摩擦を伴う行為は1週間ほど空けていただくのが目安です。
見落とされがちなのが、運動そのものより「こすれ」のほうです。腕を大きく振るスポーツ、ぴったりした衣類、リュックのベルトなど、わきに繰り返し摩擦がかかる状況は、腫れが残っている時期には避けたいところです。
3-4. 服装と、見た目の変化への備え
腫れが強く出ている数日間は、わきが少し膨らんで見えることがあります。締めつけの強い衣類や、脇に縫い目が当たる服は、この時期には向きません。
ゆとりのあるトップスを1〜2枚用意しておくだけで、最初の数日はかなり過ごしやすくなります。特別なケア用品を買い足す必要はありません。制汗剤やデオドラントの再開時期については、施術を受けた医療機関の指示に従ってください。
第4章 ミラドライのダウンタイムを軽くするために、当日からできること
ダウンタイムの体感は、施術そのものだけでなく、その後の数日の過ごし方によっても変わります。ここでは、当院でお伝えしている内容に絞ってお話しします。特別なテクニックは必要ありません。
4-1. 冷却と、処方薬の使い方

当院では、施術後にアイスパックをお渡ししています。照射後の数時間から当日いっぱいにかけて冷却しておくと、腫れや内出血、痛みの体感が軽くなる方が多いといえます。
痛み止めは、痛くなってから我慢の限界で飲むより、痛みが出始めた段階で使っていただくほうが楽に過ごせます。抗生剤は処方された分を最後まで飲み切ってください。軟膏についても、お渡しした際の指示どおりにお使いいただければ十分です。
インターネット上には、マッサージなどの独自のケアを勧める情報も見られます。しかし照射直後のわきに外から力を加えることは、当院ではお勧めしていません。この時期に必要なのは、冷却する、清潔にする、こすらないという3つだけです。
4-2. 予定を入れる日と、空けておきたい日
日程を組むときは、当日の夜と翌日を基準にお考えください。この時間帯に体感が最も強く出やすいためです。
- 空けておきたい日: 施術当日の夜。冷やしながら休める状態にしておくと安心です。
- 戻しやすい日: 翌日以降のデスクワークや通学。多くの方がここで日常に復帰されています。
- 避けたい予定: 施術から1週間以内の激しい運動、長時間の入浴、わきがこすれる作業。
「大切な予定の直前に受けたい」というご相談をいただくことがありますが、その場合は1週間程度の余裕を見て日程を組むほうが安心です。腫れの引き方には個人差があり、当日の状態だけでは予測しきれないためです。
4-3. 順調な経過と、ご相談いただきたい状態の見分け方

ダウンタイム中に最も不安になるのは、「この症状は普通なのか」が分からないときではないでしょうか。判断の軸は時間の経過とともに軽くなっているかどうかです。腫れも痛みも、日ごとに和らいでいれば順調と考えられます。
一方で、次のような場合は、経過を診せていただくほうが安心です。
- 痛み・腫れ: 10日から2週間が過ぎても症状が強まっていく、あるいは軽くなる気配がない場合。
- しこり(硬結): 3か月を過ぎても硬さが残り、痛みを伴う場合。
- しびれ・感覚の変化: 4か月以上続く場合、または腕に力が入りにくいなど感覚以外の症状を伴う場合。
- 感染を疑う変化: 発熱、強い赤みの拡大、膿を伴う場合。
- 皮膚の変化: 水ぶくれができた場合、炎症後色素沈着(PIH:post-inflammatory hyperpigmentation)が濃くなっていく場合。
診療ガイドラインには、マイクロ波療法後の合併症として皮下組織の壊死や炎症性結節を伴った瘢痕形成の報告があります。ただしこれらは数週で軽快していると記されています(原発性局所多汗症診療ガイドライン策定委員会. 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(2023年12月一部改訂)。
日本皮膚科学会雑誌, 133(13), 3025-3056, 2023.)。一方で同じガイドラインには、腕の神経の障害が数か月から1年後も持続したとする報告が数件あることも記載されています。
頻度の高い出来事ではありませんが、腕の症状を伴うしびれは、時間に任せず相談していただきたい変化です。
第5章 ミラドライのダウンタイムの長さを分けるもの|麻酔・出力・2回目の照射
同じミラドライを受けても、経過には幅があります。その差を生んでいるものを、施術を行う側の視点からご説明します。ここは、ダウンタイムの記事ではあまり語られない部分です。
5-1. 麻酔の入れ方がダウンタイムに関わる理由
当院はミラドライの局所麻酔にウォーターダイセクション法を用いています。皮下に空間を作りながら麻酔液を注入していく注射技術です。この方法には、痛みを抑えるだけでなく、汗腺のある層と、その下の組織との間に距離を確保するという役割があります。
診療ガイドラインは、痩せ型の方では神経損傷のリスクを考え、局所麻酔を確実に行うことと、エネルギーレベルを低く設定することを推奨しています。裏を返せば、麻酔の入れ方は快適さの問題にとどまらず、術後の経過にも関わる工程だということです。
ここから申し上げたいのは、リスクの所在は「わきという部位が危険だから」ではないという点です。わきの下には腕の神経が走っていますので、安全に照射するには解剖学的な知識と注意が必要になります。
つまり所在は、麻酔で層を確保できているか、状態に合わせて出力を調整できているかという、医師の知識と技術の側にあります。
5-2. 出力の調整と体格の関係
「出力を下げれば安全で、上げれば効果が高い」という単純な関係にはありません。弱すぎれば汗腺に十分な熱が届かず、強すぎれば周囲への負担が増えるというように、適した範囲があるものだとお考えください。
皮下組織の厚みにも同じことが当てはまります。痩せ型の方では汗腺の層とその下の組織が近くなるため、麻酔と出力の調整により慎重さが求められます。逆に厚みがある場合も、狙った層に熱を届けるための調整が必要です。
体格によって「受けられる・受けられない」が決まるわけではなく、進め方が変わるとご理解いただければと思います。
カウンセリングでは、こうした調整の話まで踏み込んで確認されて構いません。ダウンタイムの長さを事前に聞くのと同じくらい、誰がどのように照射するのかを確かめる意味は大きいと考えています。
5-3. 2回目の照射を検討する時期と、そのダウンタイム
当院では、多くの方が1回の治療で満足されています。そのうえで、さらに効果を望まれる場合には、3か月以降に医師の診察のもとで2回目を検討することがあります。
3か月という間隔には理由があります。第2章でお伝えしたとおり、しこりや感覚の変化が落ち着くまでには数週間から数か月かかります。1回目の経過が落ち着いていない段階では、効果の判定も、次の照射の判断もできないのです。
2回目のダウンタイムについては、「1回目より軽い」と断定できる根拠がありません。当院では、1回目と同じように予定を空けて臨んでいただくようご案内しています。回数を重ねるほど楽になると期待して日程を詰めると、想定と違う経過に戸惑うことになりかねません。
第6章 ミラドライのダウンタイムをほかの治療と比べる|選択肢と費用
ダウンタイムを軸に治療を選ぶ方も少なくありません。ここでは、当院でご提供しているわきが・わき汗の治療を、期間の長さではなく「何が制限されるか」という中身で並べてみます。
6-1. わきが・わき汗の治療をダウンタイムの中身で比べる
|
治療法 |
わきを濡らせない時期 |
腕の動きの制限 |
術後の通院 |
効果の持続 |
|
ミラドライ |
なし(当日からシャワー可) |
なし |
経過の確認のみ |
汗腺への作用は長期に及ぶとされています |
|
切開手術(剪除法) |
固定中の約1週間 |
固定が外れるまであり |
抜糸を含む通院が必要 |
長期 |
|
ボツリヌス療法 |
なし |
なし |
基本的に不要 |
4〜9か月(平均6か月)程度 |
|
パースピレックス(外用) |
なし |
なし |
不要 |
使用している間 |
表の2列目と3列目に注目してください。わきを濡らせない期間と腕の制限が発生するのは、切開手術だけです。ミラドライで過ぎていくのは腫れやしこりが回復するまでの時間であり、その間も生活そのものは止まりません。
同じ「ダウンタイム」という言葉でも、日程に与える意味がまったく違うのです。
ボツリヌス療法は、効果が注射の2〜3日後から現れ、4〜9か月(平均6か月)ほど持続するとされる治療です。ダウンタイムはほとんどありませんが、2日ほどはサウナなどをお控えいただきます。
汗の量が主体のお悩みで、まず負担の少ない方法から確かめたいという場合に選ばれることの多い選択肢です。
6-2. 当院のわきが・わき汗治療の料金
日程と並んで判断材料になるのが費用です。当院の料金は次のとおりです。
ミラドライ
|
プラン名 |
施術者 |
麻酔法 |
1回目 |
2回目以降(1年以内) |
|
ドクタープラン |
女性医師 |
ウォーターダイセクション法 |
¥349,800 |
¥235,125 |
|
Nプラン |
トレーニングを受けた看護師 |
ウォーターダイセクション法 |
¥198,000 |
¥161,700 |
切開手術・外用
|
項目 |
価格 |
|
剪除法(手術) |
片側 ¥165,000 |
|
パースピレックス(ワキ用) |
¥5,830 |
多汗症注射(3種類の製剤をご用意しております)
|
項目 |
ボトックスビスタ(アラガン社) |
ゼオミン(メルツ・ファーマ) |
ナボタ(デウン製薬) |
|
生産国 |
アメリカ |
ドイツ |
韓国 |
|
米国FDA認可 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
日本厚生労働省の承認 |
〇 |
ー |
ー |
|
軽度多汗症60U |
¥99,000 |
¥99,000 |
¥71,500 |
|
中等度多汗症80U |
¥110,000 |
¥110,000 |
¥82,500 |
|
重度多汗症100U |
¥121,000 |
¥121,000 |
¥99,000 |
|
ミラドライ アフターフォロー 軽度60U |
¥79,200 |
¥79,200 |
¥35,750 |
|
ミラドライ アフターフォロー 中等度80U |
¥88,000 |
¥88,000 |
¥41,250 |
|
ミラドライ アフターフォロー 重度100U |
¥96,800 |
¥96,800 |
¥49,500 |
価格はすべて税込です。
- 指名料: 土屋医師の施術をご希望の際は、施術費用に加えて10%の指名料を頂戴しております。
- 麻酔: 料金に麻酔料金は含まれています。施術後に処方する内服薬・外用薬は別途ご料金がかかります。
- ミラドライ アフターフォロー: ミラドライ後5年間にわたり、年に1回、合計5回まで、ボツリヌス毒素注射を上記の価格でご提供いたします。
- プラン変更: 1回目医師プランから2回目Nプランをご希望の場合は「Nプラン2回目」料金適応。1回目Nプランから2回目医師プランをご希望の場合は特別料金¥313,500(税込)となります。
剪除法は保険が適用される場合のある術式ですが、当院は自由診療専門のため、上記はすべて自由診療の料金です。詳しくは[わきが・わき汗の料金一覧]をご確認ください。
6-3. 「今は休みが取れない」から見送るという判断
ダウンタイムを理由に治療を見送ることは、決して消極的な結論ではありません。当院では、今回は受けないという選択も、きちんとした判断のひとつとしてお伝えしています。
わきのにおいや汗のお悩みは、季節や生活の状況によって気になり方が変わります。繁忙期を越えてから、あるいは行事の予定が落ち着いてからのほうが、経過を落ち着いて見守れることも少なくありません。
焦って日程に押し込むより、確かめる余裕のある時期に受けていただくほうが、結果として満足度は高くなると感じています。
お待ちいただく間の手立てとして、外用薬やボツリヌス療法という選択肢も残されています。それぞれの内容は[わきが・わき汗の治療メニュー]からご確認いただけます。
第7章 ミラドライのダウンタイムについてよくある質問
ダウンタイムについて、施術の前後で特にお尋ねの多いご質問にお答えします。
「施術中は痛いのでしょうか?」
局所麻酔を行ってから照射しますので、施術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の注射自体にはチクッとした痛みがありますが、当院ではウォーターダイセクション法で麻酔液を入れていきます。
痛みの感じ方には個人差がありますので、つらいときは我慢せずお伝えください。
「痛みのピークはいつ来ますか?」
麻酔が切れてくる時間帯から痛みを感じ始める方が多く、当日の夜が最もつらかったとおっしゃる方が目立ちます。翌朝には和らいでいたという経過をよく伺います。痛み止めを処方しますので、痛みが出始めた段階でお使いください。
「翌日から仕事に行けますか?」
デスクワークや通勤・通学であれば、多くの方が翌日から復帰されています。ただし体感には幅がありますので、可能であれば1日は余裕を持たせておくと安心です。腕を大きく使う仕事の場合は、最初の数日は無理をしない範囲でお願いします。
「お風呂はいつから入れますか?」
シャワーは照射の当日から可能です。湯船につかる入浴は1週間程度お控えください。体を温めることで腫れや痛みが強く出る場合があるためで、サウナや長風呂も同じ時期は避けていただくのが無難です。
「わきに硬いしこりが触れます。失敗でしょうか?」
照射を受けた組織が反応している過程で生じるものと考えられており、多くは1か月前後で柔らかくなっていきます。前述の報告では中央値41日とされています。3か月を過ぎても硬さが残り、痛みを伴う場合には一度診せてください。
「ダウンタイムが長いほど効果は高いのでしょうか?」
そのように考えられる根拠はありません。腫れやしこりの出方には個人差があり、症状の強さと効果の大きさが比例するという関係は確認されていないとお考えください。経過が軽く済んだからといって、効果が乏しいわけではありません。
「施術後にお酒を飲んでもよいですか?」
一般的には、施術当日の飲酒は控えるのが無難とされています。血流が増えることで腫れや痛みが強く感じられる場合があるためです。翌日以降については、腫れの様子を見ながら判断していただければと思います。
第8章 ミラドライのダウンタイムは、施術日より先に「経過を確かめる日」を決める
ここまで、ミラドライのダウンタイムを時間軸・生活・条件の3つの角度から見てきました。最後に、この情報をどう使っていただきたいかをお伝えします。
8-1. ダウンタイムの短さは、選ぶ理由の三番目に置く
ミラドライは、切らずに受けられてダウンタイムが短い治療です。その利点は確かなものですが、選ぶ理由の一番上に置くと判断を誤りやすいと感じています。順番としては、次のように考えていただくのが安全です。
- 目的: 気になっているのは、においなのか、汗の量なのか。両方であれば、どちらの比重が大きいのか。
- 適応: その目的に対して、ミラドライという手段が合っているのか。ほかに確かめておくべき手段はないか。
- ダウンタイム: そのうえで、経過に必要な期間を生活の中に確保できるか。
3番目から考え始めると、「休まなくて済むから」という理由だけで手段が決まってしまいます。手段の順番を決めるのは、あくまで目的のほうです。当院は自由診療専門ですので、保険の有無で選択肢を狭める必要もありません。
8-2. 予定表に先に書き込むのは、施術日より経過を確かめる日

日程を組むときに、施術日だけを決めて終わりにされる方が多くいらっしゃいます。しかしミラドライは、照射した日ではなく、経過が落ち着いた時点で結果が見えてくる治療です。
そこでお勧めしているのが、施術日を決める前に次の2つの日付を想定しておくことです。
- 1か月後あたり: 腫れが引き、しこりが柔らかくなっていく頃合いです。生活の中で汗やにおいの変化を確かめ始められる時期にあたります。
- 3か月後あたり: 感覚の変化も含めて落ち着いてくる頃です。効果をどう受け止めるか、2回目を検討するかを判断できる時期になります。
当院では、ミラドライを受けられた方に治療後5年間のアフターフォロープランをご用意しています。照射して終わりではなく、その後を一緒に見ていくという考え方を、日程の組み立てにも反映していただければと思います。
8-3. 京都・すなおクリニックでのミラドライのご相談について
院長の土屋は、2003年に東京大学医学部医学科を卒業した後、東京大学医学部附属病院や国立がん研究センターで形成再建外科の研鑽を積んできました。現在は医師・医学博士・美容外科学会専門医として診療にあたっています。
組織が熱や損傷にどう反応し、どのような速さで回復していくのかを見てきた経歴は、術後の経過を見立てるうえでの土台になっています。
わきが・わき汗の診療では、院長の土屋が中心となりながら、複数の女性医師が対応しています。他院で受けたミラドライの経過にご不安がある方のご相談もお受けしています。
時間の経過を待つべき変化なのか、別の対応を考えるべき状態なのかを、まずはご一緒に整理するところから始めます。
ご提案する内容も、ミラドライだけに寄せることはありません。切開手術、ボツリヌス療法、外用薬まで含めたうえで、においと汗のどちらが主題なのか、生活の中でどれだけの期間を確保できるのかをご一緒に見ていきます。
根拠が十分でない部分については、十分でないと率直にお伝えします。無理な治療の押しつけはいたしません。
ミラドライのダウンタイムは、正しく分けて理解すれば、身構えるものではなく段取りできるものに変わります。まずはカウンセリングで、ご自身のお悩みにこの治療が合うのかを確かめることから始めてみませんか。
本記事が、あなたが日程を組み立てるための手がかりになれば幸いです。
執筆・監修:土屋すなお(すなおクリニック院長/医師・医学博士/美容外科学会専門医)
2003年に東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院や国立がん研究センター東病院などで形成再建外科の研鑽を積み、2016年に京都・すなおクリニックを開院しました。エビデンスに基づく「やりすぎない」美容医療を方針とし、外科と非外科の両面から患者さんに合った治療をご提案しています。
参考文献
Hong HCH, Lupin M, O’Shaughnessy KF. Clinical evaluation of a microwave device for treating axillary hyperhidrosis. Dermatol Surg, 38(5), 728-735, 2012.
Lin MJ, et al. A survey of long-term results with microwave energy device for treating axillary hyperhidrosis. J Cosmet Laser Ther, 23(3-4), 49-51, 2021.
原発性局所多汗症診療ガイドライン策定委員会. 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(2023年12月一部改訂). 日本皮膚科学会雑誌, 133(13), 3025-3056, 2023.
この医師が監修しました
土屋すなお Sunao Tsuchiya
すなおクリニック院長・日本形成外科学会認定専門医
フェイスリフトと注入・顔の手術のスペシャリスト。美容医療における「やりすぎない」自然な美しさと調和を重視し、 患者一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない治療法を提案しています。
最近の投稿
土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
医師としての視点で見る美容の裏側や、院長個人の考え、日常の出来事についてはnoteで発信しています。











