すなおクリニック院長の美容情報ブログ
糸玉なし!という広告・・・形成外科医たちの美容外科学会でどう思われているか?
2022/01/18
先日の美容外科学会では、埋没法のセッションがあり
私はそこで登壇しました。
まあ、話し合われた内容は多岐にわたりすぎて
ご紹介しきれないんですが、
1点だけ、、、大手美容外科がこぞって宣伝している
「糸玉なし!」の埋没法については
報告しておきたいな~と思います。
埋没の糸を表側で結んだ場合、
きちんと糸が埋没しきれていないと
皮下にうっすら糸玉がみえることがあります。
それを防ぐため、大手のクリニックのいくつかでは
結び目を結膜側に作るわけですが
結膜側って、目の方じゃないですかい。
結び目の糸がぴょんっと飛び出して
角膜を傷つけたら大変です。
そんなわけで、私は一切、その手法をとってきませんでしたが、
今回の学会でも、結膜側に結び目を作るなんて
言語道断だよね・・・
というコンセンサスが確認されていたと思います。
First, do no harm!? Above all, do no harm!
(何よりも患者に危害を加えないことを優先すべきである)
という言葉は、(諸説あるようですが)
ヒポクラテスの誓いと言われています。
ヒポクラテスが言ったんでも
ヒポポタマスが言ったんでも
なんでもいいんですが
糸がちょっとゆるんだり、結膜に埋入されなかったら
目の角膜を傷つけるかもな~
視力に影響出ちゃうかもな~
というリスクを知っていて
バンバン宣伝するのはいかがなものかと。
極めてまともな先生方の集団が、
きちんとこの手法を否定していましたので
あ、よかった・・・と、安心しました。
もちろん、うちのドクターズもみんな、
そんな危ない術式はお勧めしていません。
最近の投稿
土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。