美容コラム
夏はシミ治療を避けたほうがいいってホント?
2026/08/12
こんにちは。土屋です。
「夏はシミ治療を避けたほうがいいんですよね?」
と、よく患者さんから聞かれます。
たしかに「紫外線の強い時期の色素治療はおすすめしない」
という説明は、美容医療の世界で長く定番とされてきました。
私自身も、患者さんの肌状態によっては「秋まで待ちましょう」
とお伝えすることがあります。
日本の夏は、実は「熱帯」とほぼ同じ
紫外線の強さを表すUVインデックスという
指標があります。
大阪の真夏はおよそ8〜9、沖縄では11〜12に達します。
これは亜熱帯・熱帯地域の年間の水準と、ほとんど変わりません。
亜熱帯・熱帯といえばシンガポールやタイ、インド、ブラジル
など。これらの国でも美白治療は盛んに行われています。
そして「夏に治療した人」と「冬に治療した人」を比べて
結果に差が出た、という質の高い比較研究は、私の知る限り
存在しません。
これらを考えあわせると、季節要因よりももっと大切なものが
ありそうだな、と感じませんか。
美白治療の結果を実際に左右するもの
実は美白治療の結果を実際に左右しているのは
季節ではなく次の4つなんです。
1.治療する時点で、肌が日焼けしているか
2.治療した直後の数週間に、どれだけの光が肌に届くか
3.そのシミが、そもそもどういう種類で、どの深さにあるか
4.基底層のダメージがどのくらい蓄積しているか

冬でも毎週ゴルフに出て日焼け止めの塗り直しをしない方の肌と、
夏でも日中ほとんど室内にいる方の肌とでは、
治療経過はまるで違います。
季節より、はるかに結果に響くのが日々の遮光です。
・日焼け止めを塗る
・時間が経ったら日焼け止めを塗り直す
・日傘をさす
・影になっているところを選んで歩く
・室内でも安心しない
これらは冬でも夏でも関係なく大切です。
遮光と言えば、可視光にも注意が必要です。
日焼け止めに入っている紫外線カット成分は、
目に見える光をほとんど止めません。
ところが青い光の領域には、長く残るタイプの
色素沈着を起こしうることが報告されています。
この帯域を遮るには、酸化鉄などの色のついた粉体が必要で
、いわゆる色のついたタイプ(ティント・下地タイプ)が
これにあたります。無色透明のものを完璧に塗っていても、
この部分は素通りしている可能性があります。
窓ガラスも同じです。紫外線B波はほぼ遮られますが、
紫外線A波の一部と可視光は通り抜けます。
「屋内勤務なのにしみ濃くなる」場合には、これが要因かもしれません。
日焼け止めの量が不足している可能性
日焼け止めのSPF表示は、決められた厚み
(1平方センチあたり2ミリグラム)で測った試験値です。
しかし実際に使われている量は、その4分の1から
半分程度という報告が多いです。
表示がSPF50でも、量が足りなければ実際の守りは
ずっと弱くなります。
当院のシミ治療
私たちは、季節だけを理由に一律でシミ治療をお断りすることは
していません。
ただ、代わりに一緒に確認させていただくことがあります。
– 今、肌が日焼けしていないか
– 日常ケアについてご理解いただけるか
– 日焼け止めの正しい使い方ができそうか
– 肌の回復力が十分残されているか
これらの条件が整わないときは、たとえ真冬でも
「今は待ちましょう」とお伝えします。
逆に、条件が整っているなら夏でも進められる
治療は十分にあります。
季節ではなく、コントロールできるもの
(日焼け止めの塗り方、日々の過ごし方、そして診断の精度)を
丁寧に詰めていくほうが、結果は安定します。
開院から10年、多くの方を拝見してきて、その実感は年々強くなっています。
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
医師としての視点で見る美容の裏側や、院長個人の考え、日常の出来事についてはnoteで発信しています。










