美容コラム
目尻のシワは効かせすぎに注意
2026/08/13
こんにちは。三宅です。
皆さん、目尻のシワについてどう思いますか?
目尻のシワは昔から「カラスの足跡」などと呼ばれ、エイジングサインと思われてきた面もあります。
そのため、ボトックスの人気注射部位でもあります。
一方で、笑ったときに、目尻がまったく動かない顔を想像してみてください。
それは果たして皆さんのなりたいお顔でしょうか。
実は、目尻のシワは「消せば消すほど良い場所」ではない、というのが私の考えなんです。
今日はその理由と、それでも打つ価値があるのはどんな場合か、というお話をします。

目尻のシワは、やさしさの一部でもある
人の表情の中で、目尻は感情がいちばん正直に出る場所です。
心から笑ったとき、口角が上がるだけでなく、目のまわりの筋肉(眼輪筋)が働いて目尻にシワが寄ります。
この「目が笑っている」状態は、作り笑いとの見分けがつく数少ないサインとして、古くから研究されてきました。
逆に言えば、口元だけが動いて目尻が静止している笑顔は、見る人に「感情がこもっていない」という印象を与えやすいのです。
私たちが患者さんの表情を拝見していても、目尻に少しシワが寄る方は、それだけで表情が柔らかく、話しかけやすい印象になります。
年齢のサインであると同時に、その方の人柄が出ている場所でもある。
だから私は、患者さんに目尻のボトックス注射をするときはいつも慎重になります。

効かせすぎると、何が起きるか
ボツリヌス毒素製剤(いわゆるボトックス)は、筋肉の動きを抑える薬です。
量が多いほど、あるいは打つ位置が広いほど、動きは止まります。
では、薬が効きすぎてしまった場合にどんなことが生じるのでしょうか。
笑顔が不自然になる
いちばん多いのがこれです。
目尻がまったく動かなくなると、笑ったときに目のまわりだけが「止まっている」状態になります。
ご本人は普通に笑っているつもりでも、写真や動画で見返したときに違和感がでることがあるのです。
下まぶたに影響が出ることがある
眼輪筋は目尻だけでなく、下まぶたをぐるりと囲んでいます。
薬が下まぶた側に及びすぎると、下まぶたの張りが落ちて、たるみやふくらみがかえって目立つことがあります。
もともと下まぶたに余剰皮膚やふくらみがある方では、この影響が出やすい印象です。
涙が流れやすくなる、目が乾きやすくなる、といった変化を訴えられることもあります。
頬側の筋肉に及ぶと、笑い方が変わる
目尻の外側・下方には、口角を引き上げる大頬骨筋などがあります。
薬がここまで届くと、笑ったときの口角の上がり方が左右で変わったり、笑顔全体のバランスが崩れたりします。
いずれも時間とともに戻る変化ですが、戻るまでには数か月かかります。
人前に出るお仕事の方にとって、その数か月は決して短くありません。
それでも、打つ価値がある場合
否定的なことばかり書いてきましたが、目尻のボトックスが有効な場面はもちろんあります。
シワが広範囲に及んでいる場合です。

目尻から外側へ、あるいは下方へと扇状に何本も伸びて、こめかみや頬の上部まで届いているようなケース。
この状態だと、実年齢より老けた印象が強く出たりします。
こうした方に、目尻の外側部分だけを控えめに緩めると、シワの「本数」と「一本あたりの長さ」が少し減ります。
これだけで、目元の印象がかなりすっきりします。しかも、笑ったときに目尻が寄る動きは残っているので、表情のやさしさは保たれます。
私が診察室で確認していること
• 笑っていないときの状態を見る
無表情でも刻まれているシワは、ボトックスだけでは対応が難しいことが多く、その旨を先にお伝えします。
• どこまでシワが広がっているか
• 下まぶたの状態 目の下のたるみがある方には、影響が出る可能性を必ず説明します。
• お仕事や生活で表情をどう使っているか 人前に立つ機会が多い方ほど、初回は少なめから始めます。

おわりに
美容医療は、足し算だけの医療ではありません。
何を残すかを決めるのも、同じくらい大事な判断です。
気になる目尻のシワが「消すべきもの」なのか「少し整えるだけで十分なもの」なのか。
一度、一緒に確認してみませんか。
このコラムを書いた医師
医師/日本形成外科学会認定専門医
三宅 医師 Dr.Miyake
前向きな情熱で、美しさを形にする美肌治療のエキスパート。
繊細な感性で理想を表現します。
どんなに小さなお悩みでも、どうぞご遠慮なくご相談いただければと思います。
術後のアフターケアまでしっかりと寄り添いながら、
信頼関係を築いていけるよう努めてまいります。
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