すなおクリニック院長の美容情報ブログ
ほうれい線の4パターンと治療法
2024/04/24
ほうれい線って気になりますよね。
日々、多くの患者さんにほうれい線について
ご相談を受けますが
ほうれい線には大きくわけて4つの原因があります。
4つのうちのいくつかが組み合わさっている
パターンの方もいらっしゃいます。
友達はヒアルロン酸であんなにほうれい線が綺麗なったのに
どうして私はダメなの?
ということが生じることがあるのですが、
ほうれい線の状態によって
適切な治療法が異なっていることがあるのです。
ほうれい線の原因
まず、ほうれい線のできる原因について説明してみます。
ほうれい線ができる原因は大きく分けて
主に以下の4つです。
①ほうれい線の局所的原因による凹み
ほうれい線とは、
頬の脂肪体(ファットコンパートメント)と
口の筋肉との「境界線」のことを指します。
頬骨の位置が高い人や頬の脂肪が多い人は
ほうれい線が深くなりやすく、
また、鼻翼基部の骨がくぼんだ骨格だったり
加齢による骨萎縮で骨が小さくなってしまった場合には
ほうれい線上部が深くくぼんだほうれい線になります。
鼻翼基部の骨が萎縮しするとファットコンパートメントの
壁であるリガメント(靭帯)が引っ張られることで
ほうれい線が深くなっていきます。
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/女性顔イラスト_20240424_2.png)
②皮膚のたるみ
ほうれい線の上方の皮膚のたるみも
ほうれい線の原因となります。
ハリがなくなり、支持力を失った皮膚が
ほうれい線に覆いかぶさってきます。
③ほうれい線の上の皮下脂肪の厚み
ほうれい線上の皮下脂肪が厚く、
皮膚と脂肪がほうれい線に覆いかぶさってくることも
ほうれい線が深くなる原因となります。
体重が多めの人に生じがちです。
ほうれい線の上のfat compartmentの厚みが厚く、
ほうれい線の上下で大きな段差を生じたり、
皮膚と脂肪がほうれい線上に覆いかぶさった状態になり
ほうれい線が非常に深く見えます。
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/fat-compartments-浅.jpg)
↑顔の浅い層のファットコンパートメントです。
cがnasolabial fat。日本語にすると鼻唇脂肪(笑)
bのmedial cheek fatともに、
ほうれい線上の盛り上がりの原因になります。
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/fat-compartments-深.jpg)
CがDeep medial cheek fat。
直訳しますと深いところにある内側の頬脂肪体です。
これも、ほうれい線上に覆いかぶさり
ほうれい線を深く見せる原因となります。
④皮膚のコラーゲン・エラスチンの減少
加齢や紫外線の影響で皮膚の真皮層が薄くなると
皮膚が折れ曲がりやすくなり
笑顔などの表情を繰り返す
ことによって皮膚に折れ線がはいってしまいます。
あなたのほうれい線はどんな感じ?
1.最もよく見られるほうれい線
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/法令瀬 HAでなおしやすい.png)
このお写真は、一番よくあるほうれい線のタイプかと思います。
ほうれい線上の脂肪パッドの厚みが
厚すぎもせず薄すぎもせず適度で
口回りの筋肉の部分との境界がみえる
浅くも深くもないほうれい線です。
顔面骨が小さくなり鼻翼基部の骨が軽く減ってしまい、
脂肪の厚みが少し厚いために
生じます。
ヒアルロン酸の注射や、脂肪注入など
注入のみで自然に改善させやすく
患者さんにも満足していただきやすい
パターンです。
治療の難易度が低く、比較的経験の浅い医師でも
良い結果を出しやすいと思います。
ヒアルロン酸や脂肪を注入する場合は
まず骨膜上にヒアルロン酸を注入しボリュームを補い
皮下にもさらにボリュームをいれていきます。
2.皮膚のたるみ
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/ほうれい線 皮膚のover-hang.png)
お顔全体の皮下脂肪が薄く、
皮膚がほうれい線の上に覆いかぶさってくるようにして
ほうれい線を目立たせているパターンです。
ヒアルロン酸注射やスレッドを含む非手術治療
がダメなわけではありませんが
非手術のみで綺麗に仕上げるのは難しい症例です。
皮膚が余っているわけなので、
できればフェイスリフト手術で皮膚の量を減らしたいところです。
手術を受けるのは日常生活的に難しいという場合には
スレッドリフトやヒアルロン酸でのリフトアップ、
ソフウエーブの照射などをすることで、少しでも
ほうれい線の上に覆いかぶさる皮膚をどけるよう努力します。
そのうえで、ほうれい線自体にも注入が必要です。
3.ほうれい線上の脂肪の厚みが目立つタイプ
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/皮膚と脂肪のover-hang.png)
ほうれい線上の脂肪の厚みが目立つタイプでは、
脂肪の減量が重要です。
脂肪の量を減らさないまま段差をなくそうとして
ヒアルロン酸や脂肪注入をすると
仕上がりはパンパンな顔になりますし、
たとえフェイスリフト手術をしても
脂肪の量のコントロールなしでは
改善に乏しいケースが多いです。
脂肪溶解注射あるいは脂肪吸引でほうれい線上の脂肪量の減量と
スレッドリフトやフェイスリフトでのリフトアップ
ほうれい線自体への直接のヒアルロン酸あるいは脂肪注入
の3者を組み合わせたいところです。
もちろん、そんなに一気に・・・は無理なことも多いです(^^;。
「順々にやっていく」というのも、もちろん賛成ですし、
そんなに完璧でなくてもよい、少しでも改善すればよい、
と言う場合には、部分的なご治療も良いと思います。
4.皮膚のコラーゲン・エラスチンの減少が目立つタイプ
![](https://sunao-clinic.com/wp-content/uploads/2024/04/刻まれた法令せん2.png)
広くて浅い陥凹ではなく、
尖ったものでぴ~っと線を引いたようなほうれい線です。
これは逆に、手術では治療が難しく、
通常のヒアルロン酸注射や脂肪注入、フェイスリフト、スレッドリフトが
ほとんど効きません。
ベビーコラーゲンや、ボライトという架橋の少ないヒアルロン酸を
細かく丁寧に注射して改善させます。
あれ、デバイスによる治療は・・・?
という声が聞こえてきそう。
HIFU,RF,ソフウェーブはもちろん素晴らしい若返り効果を
もたらします。
フェイスラインや肌が綺麗になるし、私も大好きです。
でも
ほうれい線に着目した治療としては
機器以外のツールのほうが有効な場面が多い・・
というのが、個人的な意見です。
以上、ほうれい線の原因と対策について
まとめてみました。
参考になったら嬉しいです(^^)
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。