すなおクリニック院長の美容情報ブログ
Bella Pelle 座談会~クールスカルプティングについて~
2024/06/05
先日の日曜日は都内でBella Pelleという医学雑誌の
座談会がありました。
今回の特集はクールスカルプティング。
東京女子医科大学の名誉教授およびD-ISMクリニック名誉院長の川島眞教授
慶応義塾大学医学部形成外科の貴志和生教授
自由が丘クリニックの古山登隆理事長
当山美容形成外科の當山拓也先生
KUMIKO CLINICの下島久美子先生
という錚々たる顔ぶれの中、
声が上ずるのを必死に抑えながら
お話に参加しました。
正直なところ、始まるまでは
「こんなゴージャスメンバーの中で私が何話せばいいんだよう」
という内心汗だくな心境でしたが
後援のアッヴィ―合同会社さんの
事前準備が素晴らしく
川島教授のリードもあり
ディスカッションはとても興味深い話になりました。
私たちの細胞の中にはたくさんの水分がありますが、
水分の多い皮膚の細胞・筋肉・神経・血管壁などの細胞と異なり、
脂肪細胞には脂肪滴が多く含まれています。
脂肪滴は4℃で結晶化してしまうため、
皮膚皮下脂肪をこの温度に保つと、ちょうど脂肪以外の細胞内は結晶化せず
脂肪細胞だけが選択的に内部の結晶化によりダメージをうけて
アポトーシス(細胞死)に至ります。
そんな脂肪細胞の個性を利用した痩身機器のクールスカルプティング。
当院でも人気の機器で、特にリピーターの方が多い治療です。
貴志先生によれば細胞の死に方は
完全にアポトーシス(プログラム細胞死)のみというわけではなく
ネクローシス(事故的細胞死)も含まれているとのこと。
ネクローシスがわずかにあるからこそ
マイルドな炎症がほどよくおきて
皮膚の引き締め効果があるのだろうか、というところが
私の中でも解決しきらない問題ですが
現実に臨床では、
脂肪だけが抜けて皮膚がダルダルとたるんでしまうということは
極めて少ないという実感があります。
↑↑ 私がご紹介担当した論文もありまして
内容はとても嬉しい症例報告でした。
側腹部の片側だけにクールスカルプティングの治療をうけた
男性2名をそれぞれ、6年および9年追跡したところ
追跡期間中に体重が増えたり減ったりしたのにもかかわらず
常に治療した側のサイズが小さく保たれた(!)というものでした。
これって、本当に嬉しい報告です。
普段から、一度なくなった皮下脂肪の細胞は再生しないため
治療効果は基本的には一生保たれるはず、と
患者さんにお話ししていますが、
そのお話のサポーティブエビデンスになります。
最後に記念撮影。
背が小さいから真ん中にしてもらえました笑
せっかく東京に来たんだし
せっかく子育てをパパにお願いしてきたんだし
ということで、
一人で西洋美術館に直行。
久々の上野。
東京に住んでいたころは家族でよく散歩しました。
子供のころから母と茨城から出てきて何度も訪れた西洋美術館。
母は父や私の弟を置いて、私だけを連れて行ってくれたので
特別な日のような気がして
嬉しかったのを覚えています。
たくさんのロダンがお出迎え。
自分の絵の好みや感動する対象が
年齢とともに
変化したことを感じながら、沢山の絵画を楽しみました。
西洋美術館の素晴らしい絵画の多くは
現川崎重工の初代社長、松方幸次郎さんのコレクションとのこと。
恵まれた生い立ちと華々しい学歴、職歴、そして破滅に至る
波乱万丈な生きざまを読みながら
おやじ感満載でビールをぐびぐびしつつ
帰宅しました(^^;
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。