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美容コラム

『脱脂+脂肪注入』 ~なぜ目の下のクマ治療では、脂肪を抜いて、また入れるのか~

畑 医師 このコラムを書いた医師 畑 医師 Dr.Hata 医師・医学博士/日本形成外科学会認定専門医

 

「目の下のクマが、何をしても消えない」

「寝ても取れない。疲れて見えると言われる」

「コンシーラーを塗ると、逆に目立つ気がする・・・」

下瞼の手術を得意としているので、私の外来ではこんなご相談をいただくことが多いです。

 

 

 

 

クマの治療法は、症状に応じて適切なものを選ぶことからスタートします。

術式の一つとして「脱脂+脂肪注入」というものがあるのですが、

こちらを患者さんにご提案すると、

「脂肪を取って、また脂肪を入れるんですか?」と

怪訝な顔をされることがあります。

 

たしかに、抜いて入れる、と聞くと妙な話に聞こえますよね。

 

 

 

クマの正体

 

目の下のクマにはいくつかの種類があります。

・眼輪筋が透けて見える青クマ、

・色素沈着による茶クマ

・そして凹凸によってできる黒クマ。

このうち、スキンケアやメイクでどうにもならないのが黒クマです。

皮膚そのものは黒くありません。凸凹があるせいで、そこに影が落ちている。

だから、光の当たり方で濃さが変わりますし、鏡で見る角度によっても印象が変わります。

 

凸凹のうち、凸の正体は、主に眼窩脂肪です。

 

眼球を支えているクッションのような脂肪で、

加齢とともに前に押し出されてきます。

これが、目の下の「ふくらみ」として見えます。

 

凹のほうは、その下です。

 

目から頬にかけての境目には、

骨と皮膚がしっかり固定されている場所があり、

内側は涙溝、外側は眼頬溝と呼ばれます。

この固定点は加齢でも動きません。

動かないまま、その周囲の組織だけが下垂し、痩せていく。

さらに眼窩の骨自体もわずかに後退していきます。

だから、

固定されている線が相対的に深い溝として浮かび上がってくるのです。

つまり、膨らんだ場所とくぼんだ場所が隣り合っているせいで段差ができ、

そこに影が落ちる。これが黒クマの構造です。

 

 

凹部分も凸部分もある人で、片方だけを直すと、どうなるか

 

 

脱脂だけを行った場合。

ふくらみは改善しますが、その下のくぼみは残ります。

もともと痩せ型で中顔面のボリュームが少ない方だと、

目の下から頬にかけて全体がくぼんだ状態となり、

かえって疲れた印象、こけた印象になることもあります。

 

脂肪注入だけを行った場合

くぼみは埋まりますが、膨らみは残ったままです。

ふくらみに合わせた脂肪注入となると注入量は多くなり、

全体としてボリュームが増えるので、

目の下がぼてっと、はれぼったく見えてしまいます。

 

 

だから、両方を行います。

出過ぎた分は適度に減らし、足りない分は補う。

目の下から頬にかけての境目が消え、

ひと続きのゆるやかな曲線になると、

影が減少し明るくなります。

 

結果として、お顔全体が健康的で若々しい印象に戻ります。

なお、脱脂は瞼の裏側(結膜側)から行いますので、

皮膚表面に傷はつきません。

脂肪は太ももやお腹など、ご自身の体から採取したものを使います。

 

 

 

ナノファットによる青クマ治療

 

 

ここまでは主に黒クマのお話でしたが、

実は、脂肪注入では青クマにもアプローチができます。

 

青クマは、目の下の皮膚が非常に薄く、

その下を走る眼輪筋の色が透けて見えることで生じます。

色素の問題ではないので、美白外用では改善しにくい種類のクマです。

 

ここで使うのがナノファットです。

採取した脂肪を細かく処理したもので、

粒子が非常に細かいため、

眼輪筋の上にごく薄く敷くように注入することができます。

皮膚と眼輪筋のあいだにワンクッションが入ることで、

透けて見えていた色調がやわらぎます。

 

 

 

 

そしてもうひとつ、これは意外に思われるかもしれませんが、

皮膚の質感そのものの改善も期待できます

ナノファットには脂肪由来の間質性分が豊富に含まれており、

皮膚のキメや小じわ、質感に対して効果が報告されています。

 

 

おわりに

 

目の下の多くの術式が眼のすぐ下、

骨の縁辺りまでをターゲットとしています。

これに対し脱脂+脂肪注入では目の下から頬まで、

中顔面全体が自然につながって見えることを目標とします。

患者さんのお顔の印象が明るくふんわりするので、

私はこの術式がとても好きです。

 

目の下のことで気になることがあれば、

まずは診察でご一緒にどんな治療が適しているのか確認するところから始めましょう。

畑 医師

このコラムを書いた医師

医師・医学博士/日本形成外科学会認定専門医

畑 医師 Dr.Hata

下眼瞼手術・注入のエキスパート
理論と経験、繊細な技術で理想の美をデザインします

長年、形成外科医として技術を研鑽して参りました。
確かな技術と経験をもとに、理論に基づいた治療を丁寧に行うことを心掛けています。
患者様お一人一人に合った治療を、一緒に考えていけたらと思っております。
どうぞお気軽にご相談ください。

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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya

医師としての視点で見る美容の裏側や、院長個人の考え、日常の出来事についてはnoteで発信しています。

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