美容コラム
豊胸手術、シリコンインプラントはどこから入れる? 切開部位ごとのメリット・デメリット
2026/08/22
【医師コラム】豊胸手術、シリコンインプラントはどこから入れる? 切開部位ごとのメリット・デメリット
先日も豊胸のカウンセリングで、「傷はどこにできますか?」「彼に見られたらわかりますか?」とご質問をいただきました。
大変よく聞かれる質問なので、こちらのコラムで私の考えを説明したいと思います。
シリコンインプラントを挿入する際の切開部位には、大きく分けて
「腋窩(わきの下)」
「乳輪(乳輪縁)」
「乳房下溝(バストの下)」
の3つがあります。
今回は、それぞれの傷の位置や特徴、メリット・デメリットについて、そして将来的にインプラントを入れ替える可能性がある方に知っておいていただきたいポイントを解説します。
1.腋窩法(わきの下からのアプローチ)
わきの下のしわに沿って、3〜4cmほど切開します。

メリット :胸そのものにはまったく傷ができないという点が、最大のメリットです。バストトップや乳輪、胸の下のラインを人に見せる機会があっても、傷を気にする必要がありません。
「胸には絶対に傷を残したくない」という方に選ばれることが多い方法です。
デメリット :胸から離れた位置から操作するため、術者の技術力によって仕上がりに差が出やすい術式です。また、被膜拘縮などのトラブルが起きた際に、わきの下からでは胸の内部に十分アプローチしにくい場合があります。
ほかの術式よりも剥離範囲が広いので、術後の痛みが強い場合があります。
腕を大きく上げたときに、わきの下の傷が他人の目に触れる可能性もあります。
さらに、インプラントが上方に移動しやすいので、術後しばらくは上肢の運動制限や胸の上側の圧迫が必要となります。
2.乳輪法(乳輪の縁からのアプローチ)
乳輪の下側の色が変わる境目(乳輪縁)に沿って切開します。

メリット :傷が乳輪の色に紛れるため、時間の経過とともに目立ちにくくなります。
デメリット :乳輪の直径が小さい方の場合、必要な切開幅を確保しづらく、この方法を選べないことがあります。
まれに乳頭の感覚に一時的な変化が出ることがあり、授乳への影響を心配される方もいらっしゃいます(実際の影響は限定的とされていますが、不安を感じる方には他の方法をおすすめすることもあります)。
傷は正面から胸をじっくり見られない限り気づかれにくい位置ですが、入浴時など自分では日常的に目にする部位です。傷跡が白く目立つ場合もあります。
3.乳房下溝・バストの下のラインからのアプローチ
胸の下の折り目(乳房下溝)に沿って、4〜5cmほど切開します。
当院で最も多く採用している方法です。

メリット :直視下で操作できるため、出血のコントロールや被膜の剥離、インプラントの位置決めを高い精度で行うことができます。
術者にとって最も操作性がよく、安定した仕上がりを出しやすい方法です。傷は胸の下のラインにできるため、正面から見た状態ではほとんど見えません。
デメリット: 仰向けになったときや、体勢によっては傷が視界に入ることがあります。
バストの下垂が少ない方の場合、傷が完全に隠れにくいこともあります。ただし多くの場合、時間とともに傷は白く目立たなくなっていきます。
インプラントの入れ替えを考えるなら、乳房下溝が安全
豊胸手術を受けた方の中には、将来的にインプラントを別のサイズや種類に入れ替えたい、あるいは経年劣化に伴い交換したい、という方もいらっしゃいます。
そうした「再手術(入れ替え)」の場面で特に重要になるのが、乳房下溝からのアプローチです。
乳房下溝法は直視下で被膜やインプラントの位置、周囲の血管・組織の状態を確認しながら処置できるため、初回の手術がどの部位から行われていた場合でも、比較的安全に対応しやすいという特徴があります。
そのため、将来的な入れ替えの可能性も視野に入れる場合には、傷跡が増えないように初回から乳房下溝法を選択しておく、あるいは入れ替え時には乳房下溝からのアプローチに切り替えることをおすすめするケースが多くあります。

どの方法が良いかは、お一人おひとり異なります
「傷を見せたくない」「乳輪に傷を作りたくない」「将来の入れ替えまで見据えたい」など、優先したいポイントは患者さんによって様々です。
それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、バストの形、乳輪のサイズ、皮膚の状態、そしてご希望のライフスタイルを踏まえて、カウンセリングで一緒に最適な方法を選んでいくことが大切だと考えています。
気になることがあれば、どんな些細なことでもカウンセリングでお聞かせください。
このコラムを書いた医師
医師/日本形成外科学会認定専門医
堀 医師 Dr.Hori
スキンケアと婦人科手術のスペシャリスト
寄り添う心で、美しさと自信を引き出します
患者様の悩みや希望を丁寧にお聞きし、患者様により自信を持っていただくよう一緒に歩んでいきたいと思います。
不安なことも納得いくまでご相談させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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