美容コラム
小陰唇縮小は「切りすぎない」が大切|傷あとは残る?後悔しないためのデザインの話
2026/08/30
こんにちは、堀です。
小陰唇縮小術シリーズの第三回です。(前回の記事: 小陰唇縮小のダウンタイム完全ガイド|腫れ・痛みはいつまで?仕事復帰の目安と過ごし方)今回は、ダウンタイムと並んでご質問の多い「傷あと」と、私が手術で最も大切にしている「切りすぎない」という考え方についてお話しします。
「傷あとが残って、かえって不自然になりませんか」「パートナーに手術したことが分かってしまいませんか」——この心配はとてもよく分かります。見た目を整えるための手術で新しい悩みが増えてしまっては、本末転倒だからです。
先にこの記事の結論をお伝えします。小陰唇はもともと傷が目立ちにくい部位です。そして、傷あと以上に仕上がりを左右するのは「どのラインで、どれだけ切除するか」というデザインであり、その要は「切りすぎない」ことです。順番にご説明します。
小陰唇の傷あとが目立ちにくい、3つの理由
まず傷あとの話からです。小陰唇に傷が残りにくい理由として3つ考えられます。
1つは、粘膜に近い組織であることです。粘膜は皮膚に比べて血流が豊富で、再生する力が強く、傷の治りが早い性質があります。口の中を噛んでしまった傷が、思ったより早くきれいに治った経験はないでしょうか。あれと同じ仕組みです。
2つ目は、小陰唇にはもともとヒダや色の濃淡があることです。縁のラインに沿ってできた傷は、自然な凹凸と色調に紛れて、時間とともに見分けがつきにくくなります。平らでつるっとした場所にできる傷とは、条件がまったく違うのです。
3つ目は、緊張がかかりにくい部位であることです。関節周りなどよく動かす部位や切除して縫い合わせたところは、傷が引っ張られるため傷あとが硬くなったり、傷の幅が広がったりすることがあります。それに比べて小陰唇は、動作によって傷が引っ張られることが少なく、傷が安静に保たれるため、傷あとがきれいに治りやすいと考えられます。
傷あとはどう治っていく?時間の経過で見る変化
「目立ちにくい」といっても、手術直後から傷が見えないわけではありません。傷が落ち着くまでの経過を知っておくと、途中で不安にならずに済みます。
【術後〜2週間】
縫合部に赤みがあり、触れると硬く感じます。糸が付いている間は見た目にも手術の跡と分かる状態です。
【術後2週間〜1ヶ月】
吸収糸が溶けはじめ、赤みが少しずつ薄れていきます。傷を触ると芯のような硬さ(しこり)を感じることがありますが、これは傷が治る過程で一時的にできるもので、異常ではありません。
【術後1〜3ヶ月】
赤みと硬さが周囲になじんでいきます。ご本人でも「どこを切ったのか分かりにくい」状態に近づいていくのがこの時期です。
【術後3ヶ月〜半年】
傷の成熟が進み、ほぼ最終的な状態になります。
経過には個人差があり、体質によって赤みが長引く方もいらっしゃいます。当院では経過診察で治り方を確認し、必要があればケアをご案内していますので、途中で不安になったら遠慮なくご相談ください。

傷あとの経過よりも大切なこと。それが「デザイン」です
小陰唇縮小は「大きい部分を切って縫う」という単純な手術に見えるかもしれません。しかし実際には、どのラインで、どのくらいの量を切除するか、つまりデザインによって仕上がりは変わってきます。傷そのものは前の章でお話ししたとおり時間が解決してくれますが、切除のデザインは時間では解決しません。
そして、デザインで私が何より大切にしているのが「切りすぎない」ことです。
なぜ「切りすぎない」ことが大切なのか
「せっかく手術するなら、できるだけ小さくしてほしい」——そう思われる方は少なくありません。お気持ちはよく分かります。コンプレックスの原因を、できる限り取り除きたいと思うのは自然なことです。
しかし、小陰唇は不要な部分ではなく、大陰唇の内側と膣の入り口を保護し、乾燥や摩擦、雑菌から守るなど、大切な役割を持った組織です。
切除しすぎると、
✓慢性的な乾燥感や違和感、突っ張り感の原因になる
✓年齢を重ねると組織は自然に萎縮するため、過剰に切除してしまうと将来の変化に余裕がなくなる
✓一度切除しすぎた組織は、元に戻すことが非常に難しい
特に重要なのは最後の1点です。術後、傷が拘縮して小陰唇の幅が小さくなることを想定して切除しています。控えめに切除した場合、もし物足りなければ、あとから追加で調整することができます。しかし切りすぎてしまった場合、失われた組織を完全に元通りにすることはできません。修正手術でできることには限りがあるのです。
だからこそ、迷ったら残すことを私の方針としています。
黒ずみも「全部取る」は正解ではありません
小陰唇の縁の黒ずみを気にされて、「黒い部分を全部取ってほしい」とご希望される方もいらっしゃいます。
縁の色が濃い部分は、切除する範囲に含めることである程度整えることができます。ただし、黒ずみを完全になくそうとすると、必要な組織まで大きく切除することになり、先ほどお話しした「切りすぎ」の問題がそのまま起こります。
どこまで整えられるかは元の状態によって変わりますので、カウンセリングで実際に確認しながら、優先順位を一緒に決めていきましょう。
不自然に見えない縁のラインづくり
もうひとつ、仕上がりを左右するのが縁のラインの描き方です。
小陰唇の縁を不自然な一直線に切ってしまうと、不自然さが残ることがあります。もともとの形には、なだらかなカーブと厚みの変化があります。当院では、その自然な形に沿ってラインを設計し、厚みのある方は先端に向かって薄くなるように整えます。左右差がある方には、左右で切除量を変える細かな調整を行います。
術前にはご希望のある方にデザインのお写真を見ていただきながら、どこをどのくらい切除するかをご本人と確認します。「小さくすればするほど良い」のではなく、機能と見た目のバランスがとれた、その方にとってのデザインを考えます。
縫合の工夫。抜糸は不要です
デザインを丁寧に仕上げても、縫合が粗ければ、いくら傷あとが目立ちにくい小陰唇でも傷あとが目立ちます。縫合には、時間が経つと溶ける糸を使っています。抜糸の処置が不要なため通院の負担が少なく、糸のあとが残る心配もほとんどありません。細かいピッチで丁寧に縫うことで、傷の段差やひきつれを防ぎます。
きれいに縫われた傷は、見た目だけでなく治りも早く、トラブルも起きにくくなります。
他院での手術で悩んでおられる方へ
切除したのに残存している、切除しすぎによる乾燥や違和感、左右差、縁のラインの不自然さなど、他院で受けた小陰唇縮小の仕上がりについてご相談をお受けすることがあります。
状態によっては修正が可能なケースもあります。残っている組織の量や傷の状態を診察で確認したうえで、何ができて何が難しいかを率直にお伝えします。「もう手術してしまったから」と諦める前に、一度ご相談ください。当院には美容医療後遺症外来があり、他院修正のご相談にも対応しています。

修正手術でできること、できないこと
修正でできることには、取り残しを切除する、傷あとの段差やひきつれを整える、左右差を調整する、不自然なラインを整える、といったものがあります。一方で、大きく失われた組織を再建するには周囲の組織を移動させる方法などはありますが、完全に元どおりの状態に戻るわけではありません。
つまり修正手術は「困りごとを減らす」ことはできても、「なかったことにする」ことはできません。これが、最初の手術で切りすぎないことが何より大切だと繰り返しお伝えしている理由です。
クリニック選びで確認してほしいこと
最後に、当院に限らず、小陰唇縮小のクリニックを選ぶときに確認していただきたいことをお伝えします。
✓カウンセリングでデザインの話が具体的に出るかどうか。どのラインで、どのくらい切除するのか、なぜその量なのか。この説明がないまま料金の話だけが進むようなら、立ち止まってください。
✓切除量について「たくさん切れます」を売りにしていないかどうか。切除量の多さは技術の高さではありません。むしろ「どこで止めるか」の判断が大切です。
✓術後の経過診察があるかどうか。手術をして終わり、ではなく、治っていく過程を医師が確認する体制があるか。傷の治りは人によって違うからこそ、経過を見ることは大切です。
このシリーズの第二回でお話しした「ダウンタイム」も、結局は手術の質に左右されます。手術そのものと術後の体制をセットで見て、納得できるクリニックを選んでください。
傷をきれいに治すために、ご自身でできること
✓患部を清潔に保つ。ただし洗いすぎ・こすりすぎは逆効果です。泡で優しく洗い、水分を押さえるように拭いてください
✓摩擦を減らす。傷が擦れ続けると赤みが長引きます
✓処方された薬以外を自己判断で塗らない。消毒や市販の傷薬や美白クリームは、かえって刺激になることがあります
✓喫煙を控える。血流が悪くなり、傷の治りが目に見えて遅くなります
✓気になる変化があったら早めにご相談を
どれも第二回のダウンタイムの記事でお話しした内容につながってきます。特別なケア用品を買い足す必要はなく、刺激を減らして時間に任せることが、いちばんです。
よくあるご質問
Q. 傷あとは完全に消えますか?
A. 傷そのものが消えるわけではありませんが、数ヶ月かけて周囲の組織となじみ、ご本人でも見分けがつきにくい状態になっていくのが一般的です。経過には個人差があります。
Q. 温泉やパートナーに気づかれることはありませんか?
A. 落ち着いたあとの傷は自然なヒダの凹凸に紛れるため、見て分かることはまずありません。
Q. どのくらい小さくできますか?
A. 切除できる量には個人差がありますが、当院では「最大限切る」ことより「切りすぎない適量」を重視しています。ご希望を伺ったうえで、機能を損なわない範囲をご提案します。
Q. 左右で形が違うのですが、揃えられますか?
A. 左右差のご相談はとても多く、左右で切除量を変えることで整えていきます。完全に同一にすることよりも、自然に見えるバランスを目指します。
Q. 傷あとが残りやすい体質です。受けられますか?
A. ケロイド体質など傷が残りやすいご体質の方は、事前に必ずお知らせください。部位の特性上リスクは低めですが、状態を診たうえで慎重に判断します。
Q. 手術を受ける年齢に制限はありますか?
A. 明確な上限はありません。擦れる痛みや衛生面の困りごとは年齢を問わず起こるため、幅広い年代の方が受けておられます。未成年の方はご相談ください。
Q. 仕上がりのイメージはどうやって伝えればいいですか?
A. 言葉で伝えにくい部位ですので、カウンセリングで鏡を見ながら「ここが擦れる」「この部分が気になる」と指さしていただくのがいちばん確実です。ご希望を伺ったうえで、切除できる範囲と残すべき範囲を医学的な視点からご説明し、すり合わせていきます。
まとめ。傷あとの心配より、「誰にどう切ってもらうか」
小陰唇はもともと傷が目立ちにくい部位であり、時間の経過とともに傷は周囲になじんでいきます。本当に仕上がりを分けるのは切除のデザインです。切りすぎは乾燥や違和感、不自然な見た目の原因になり、あとから元に戻すことはできません。
当院では「迷ったら残す」を原則に、ご本人と確認しながら、その方に合ったデザインを決めています。不安なこと、聞きにくいことも含めて、カウンセリングで率直にお尋ねください。
このコラムを書いた医師
医師/日本形成外科学会認定専門医
堀 医師 Dr.Hori
スキンケアと婦人科手術のスペシャリスト
寄り添う心で、美しさと自信を引き出します
患者様の悩みや希望を丁寧にお聞きし、患者様により自信を持っていただくよう一緒に歩んでいきたいと思います。
不安なことも納得いくまでご相談させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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