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美容施術解説

ウルセラはほうれい線に効くのか|形成外科専門医が解説する原因タイプ別の最適解と「やりすぎない」治療設計

土屋すなお このコラムを書いた医師 土屋すなお Sunao Tsuchiya 院長/医師・医学博士/ 日本形成外科学会認定専門医/日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医

「ほうれい線がどんどん深くなっている気がして、ウルセラを検討しているけれど本当に効果があるのか自信が持てない」「以前、別のクリニックでウルセラを受けたのに、ほとんど変化がなかった」「施術を重ねるほど逆に顔が老けていくような気がしてしまう」……。このようなお悩みをお持ちではありませんか?

実は、ほうれい線は「皮膚のシワ」ではありません。中顔面のたるみ・脂肪の下垂・ボリューム減少という、複数の構造変化が重なって生じる複合現象です。

このことを理解しないまま施術を選ぶと、「効いた気がしない」「期待と違った」という結果になりやすいのです。

本記事では、形成外科出身の医師の視点から、ウルセラがほうれい線に作用するメカニズム・向いている原因タイプ・向いていないケースを、エビデンスに基づき詳しく解説します。

「やりすぎない美容医療」の観点から、ウルセラを正しく位置づけ、最適な治療設計を考える指針をご提供できれば幸いです。

 

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第1章 ほうれい線の正体|「皮膚のシワ」ではない構造的なたるみ

 

ほうれい線をケアしようとスキンケアやマッサージを続けても、思うような改善が得られない方が多くいらっしゃいます。その理由の多くは、ほうれい線の「発生源」が皮膚の表面にあるのではなく、もっと深い構造の変化にあるからです。

ウルセラを含めた医療施術を検討する前に、まずほうれい線がなぜ深くなるのかという構造的なメカニズムを理解することが、後悔のない選択への第一歩となるでしょう。

 

1-1. 解剖学的に見たほうれい線の発生メカニズム

 

ほうれい線は、鼻の両脇から口角に向かって伸びるくぼみのことを指します。顔の構造を解剖学的に見ると、皮膚・皮下脂肪・SMAS筋膜(スマスきんまく)・表情筋・骨格という層が重なって成り立っています。

ほうれい線が深くなる根本的な原因は、この層構造の変化にあります。特に重要なのが、中顔面(目から口にかけての領域)に存在する複数の脂肪パッドと呼ばれる脂肪の塊です。

若いころは頬の高い位置にあった脂肪パッドが、加齢とともに重力方向へ下垂し、ほうれい線の上に覆いかぶさることで溝が深く刻まれます。

カウンセリングでよく「ほうれい線は老けて見える一番の原因なのに、クリームを塗っても全然変わらない」というご相談をいただきます。

これはある意味当然のことで、深部の構造変化に対して、表面のスキンケアがアプローチできる範囲には限界があるからです。

 

 1-2. 加齢で起こる4つの構造変化

 

ほうれい線を深める加齢変化は、大きく4つの層で起こっています。

 

  • 皮膚のたるみ: コラーゲン・エラスチンが減少しハリが失われます
  • 皮下脂肪の下垂: 頬の脂肪パッド(頬部脂肪体)が重力により下方へ移動し、ほうれい線の上にさがってきます。
  • SMAS筋膜及びリガメントの弛緩: 表情筋を覆う筋膜や組織を支えるリガメントが緩むことで、中顔面全体を支える力が弱くなります。フェイスリフト手術でもアプローチする重要な層と言えるでしょう。
  • 骨格の退縮: 加齢に伴い顔の骨(上顎骨や頬骨など)が後退・縮小し、皮膚や脂肪を支える「土台」自体が小さくなる現象も生じます。

 

これら4つの変化は、多くの場合同時に進行する傾向があります。

形成外科出身の立場から申し上げると、どの層の変化が主体かによって、最適な治療アプローチが異なってきます。

 

1-3. 「シワ取りクリーム」「マッサージ」で改善しにくい医学的理由

 

市販のシワ取りクリームは、皮膚の表面から0.02mm程度の浅い層にのみ作用します。ほうれい線の主因である脂肪パッドの下垂やSMAS筋膜の弛緩は、皮膚から数mm〜1cm以上の深さにある変化です。

また、マッサージによって一時的に顔のむくみをすっきりさせることは可能ですが、組織の配置やボリュームを変化させることは不可能です。

「コラーゲン配合化粧品を毎日使っているのに変わらない」とおっしゃる患者さんは多くいらっしゃいますが、これは製品の効果がないのではなく、アプローチできる層が違うことが多い理由です。

スキンケアは皮膚の表面の保湿・バリア機能の維持には有効ですが、中顔面の構造変化による深いほうれい線には、より深部に作用できる治療が必要とされています。

 

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 第2章 ウルセラとは|SMAS筋膜に届くFDA認可のHIFU機器

 

ウルセラ(Ultherapy)は、高密度焦点式超音波を用いたリフトアップ治療機器です。数あるたるみ治療機器の中でも、皮膚の深部——特にSMAS筋膜層——に直接アプローチできる点が、他の機器との大きな違いです。

 

 2-1. HIFU(高密度焦点式超音波)の照射原理

 

HIFU(ハイフ:High Intensity Focused Ultrasound)とは、超音波エネルギーを1点に集中させることで、ターゲットとなる深さの組織だけを選択的に加熱する技術を指します。

レンズで太陽光を1点に集める仕組みと類似していますが、エネルギーが超音波である点が特徴と言えるでしょう。

ウルセラの場合、照射した超音波が皮膚の表面を傷つけることなく、指定した深さの組織を60〜75℃前後に加熱します。

この熱が組織に作用することで、即時的なコラーゲン繊維の収縮(引き締め効果)と、その後の創傷治癒反応によるコラーゲン新生(長期的な引き上げ効果)という、2段階の変化が生じるとされています。

 

 2-2. ウルセラがFDA認可を受けている意味とエビデンス

 

ウルセラは、米国FDA(食品医薬品局)からリフトアップ治療機器として認可を受けています。医療機器のFDA認可は、一定の安全性・有効性の基準を満たしていることを示すものとされています。

ただし、形成外科出身の立場から一点補足しておきたいことがあります。FDA認可はあくまでも「特定の用途・設定において安全性と有効性が評価された」という意味であり、すべての臨床条件で同等の結果を保証するものではありません。

照射設定・対象部位・施術者のスキルによって効果には差が生じることは、臨床現場でも確認される傾向があります。「FDA認可だから誰に施術を受けても同じ効果が得られる」とは言えない点を、患者さんには正直にお伝えするように心がけています。

なお、ウルセラの有効性に関しては、Alam M, et al. Arch Dermatol. 2010などの臨床報告が発表されており、特に頬・顎下・眉毛のリフトアップ効果において一定のエビデンスが蓄積されています。

 

2-3. 1.5mm/3.0mm/4.5mmの3層照射と各層が担う役割

 

ウルセラの大きな特徴は、照射の深さを1.5mm・3.0mm・4.5mmの3段階で選択できる点にあります。それぞれの深さには、固有の解剖学的な意味が存在しています。

 

照射深度 アプローチする層主な効果1.5mm 真皮深層コラーゲン産生促進・肌のハリ改善 3.0mm 皮下組織(脂肪層) 脂肪層を含む皮下組織の引き締め4.5mmSMAS筋膜筋膜の収縮・リフトアップ効果

 
 

 

 

形成外科出身の立場から申し上げると、この3層にわたる照射設計こそがウルセラの核心です。フェイスリフト手術でも操作するSMAS筋膜に4.5mmのトランスデューサーで直接アプローチできる機器は、現在のところウルセラが代表的な存在です。

ただし、4.5mmの照射を顔のどの部位に何ショット照射するかは、解剖学的知識と照射部位の個別評価が必要であり、施術者の判断が結果を左右する重要な要素です。

 

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第3章 ウルセラはほうれい線にどう作用するのか

 

ウルセラによるほうれい線の改善は、「直接ほうれい線の溝を埋める」のではなく、「中顔面のたるみを引き上げることで相対的にほうれい線を浅く見せる」というアプローチです。

このメカニズムを正確に理解することが、適切な期待値の設定につながります。

 

 3-1. 中顔面リフトアップによるほうれい線の浅化(メカニズム)

 

ほうれい線の多くは、頬のたるみ・脂肪の下垂によって生じています。ウルセラがSMAS筋膜を収縮させ、皮下組織を上方に引き上げることで、ほうれい線の上に乗り上げていた脂肪パッドが元の位置に近づき、溝が浅くなるとされています。

この変化は「ほうれい線を消す」というよりも、「ほうれい線が自然と目立ちづらくなる」と表現するほうが正確です。

専門医の視点からは、ほうれい線に直接注射するヒアルロン酸とは根本的に異なるアプローチであると考えられます。

 

3-2. 効果の現れ方の時系列

 

ウルセラの効果は、施術直後に現れるものと、時間をかけて現れるものに分けられます。

 

時期主な変化施術直後 コラーゲン繊維の即時収縮による軽度の引き締め感 1ヶ月後コラーゲン新生の開始。

 
わずかなリフトアップを感じる方が多い
2〜3ヶ月後 効果のピーク。中顔面のリフトアップが最も顕著に現れる時期
6ヶ月〜1年後 効果が維持される期間。その後は徐々に緩むことが多い

 

臨床現場では、「施術直後に大きな変化がなくて不安になった」というご相談をいただくことがあります。ウルセラの効果は施術後2〜3ヶ月で評価するものであることを、事前にご説明することが大切だと考えています。

 

3-3. ウルセラで改善が期待できるほうれい線・しにくいほうれい線

 

ウルセラがほうれい線に有効な場合とそうでない場合があります。適切な施術選択のために、以下の整理を参考にしてください。

ウルセラによる改善が期待しやすいほうれい線:

 

  • 頬のたるみ・中顔面の軽度の下垂が主因のほうれい線
  • 年齢:30代後半〜50代で、まだ骨格退縮が軽度の方
  • 皮膚にある程度の弾力が残っている方

 

ウルセラ単独では改善しにくいほうれい線:

 

  • 骨格退縮・ボリューム減少が主因の方(深いほうれい線・頬がこけている・やせているタイプ)
  • 表情グセによって皮膚に刻まれたほうれい線(注入治療が適することが多い)
  • 皮膚自体の弛緩が著しい方(外科的フェイスリフトが適応になる場合がある)
  • 過去に複数回HIFUを受けており、脂肪が萎縮している方

 

多くの患者さんを拝見してきた経験から、「ウルセラだけで全てのほうれい線に対応できる」とは考えていません。原因タイプを正確に見極めた上で、単独か複合治療かを判断することが、結果の差につながります。

 

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第4章 他のたるみ治療との比較|ウルセラ・サーマクールソフウェーブ・糸リフト・ヒアルロン酸

 

ほうれい線の改善を目指す場合、選択肢はウルセラだけではありません。サーマクール・ソフウェーブ・糸リフト・ヒアルロン酸・フェイスリフトなど、それぞれが異なる層にアプローチし、異なる得意領域を持っています。

単一施術の特徴を比較した上で、自分にとって何が最適かを考えることが大切です。

 

 4-1. 主なたるみ治療の比較表

 

治療法主な作用層ほうれい線への効果持続期間ダウンタイム向く症状ウルセラSMAS筋膜・皮下 | 中〜高(たるみ主体型)6ヶ月〜1年6ヶ月〜1年数日程度中顔面の下垂・たるみ サーマクールFLX真皮・皮下中(ハリ改善)1年 ほぼなし 皮膚のハリ・皮下脂肪主体のたるみ毛穴ソフウェーブ真皮中1年ほぼなし皮膚のハリ・毛穴・真皮主体のたるみ糸リフトSMAS周囲高(即効性あり)1〜2年 1〜2週間 頬の下垂・フェイスラインヒアルロン酸皮下・真皮中(直接的充填)6ヶ月〜1年半数日ボリューム減少・溝の埋めフェイスリフトSMAS・皮膚全層高(根本的改善)5〜10年2〜4週間重度のたるみ

 
 

 

この表はあくまで一般的な傾向を示したものです。個人の症状・年齢・皮膚状態によって最適な選択肢は異なります。

 

4-2. 「単一施術ではほうれい線が消えない」が前提

 

ほうれい線の改善において、臨床現場でよく直面する課題があります。それは「1つの施術だけですべての原因に対処することは難しい」という現実です。

例えば、ウルセラでSMAS筋膜を引き上げても、ヒアルロン酸でボリューム減少を補完しなければ、頬の立体感が戻りにくいケースがあります。

逆に、糸リフトで頬を引き上げても、皮膚の質感(くすみ・毛穴)が改善しなければ全体的な若返り感が出にくいこともあります。

「やりすぎない美容医療」とは「何も組み合わせない」ではなく、「必要なものを必要な分だけ、バランスよく組み合わせる」ということです。

過剰な施術は避けつつ、根本原因に応じた複合治療を設計することが、自然な仕上がりへの近道と考えられます。

 

 4-3. 外科と非外科の組み合わせという考え方

 

形成外科出身の立場から見ると、たるみ治療には「外科的手術でしか届かない層」と「機器・注射で十分対応できる層」があります。

ウルセラはその中間——外科的手術のようにSMAS筋膜にアプローチしつつ、切開を伴わない——という位置づけです。

重度のたるみでフェイスリフトが必要な方に対してウルセラだけを勧めることは、患者さんにとって本当の利益にならない場合があります。一方で、軽〜中程度のたるみに対してはウルセラが非常に有効な選択肢になり得ます。

外科と非外科の両方の選択肢を持つ医師が総合的に判断することで、より患者さんの状態に即した提案が可能になると考えています。

 

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第5章 ほうれい線の原因タイプ別|ウルセラを選ぶべき方・他治療が向く方

 

ほうれい線の改善において最も重要なのは、「どの施術が優れているか」ではなく、「自分のほうれい線はどの原因タイプか」を見極めることです。原因タイプに合った治療を選ぶことで、施術の満足度は大きく変わります。

 

 5-1. たるみ主体タイプ(ウルセラの主戦場)

 

鼻翼基部および頬のボリュームはある程度残っているが、全体的に下垂してほうれい線が深くなっているタイプです。このタイプはウルセラの最も適した対象です。

SMAS筋膜へのアプローチで中顔面を引き上げることで、下垂した脂肪パッドが元の位置に近づき、ほうれい線が浅くなる変化が期待できます。

30代後半〜50代前半で、まだ皮膚に一定の弾力がある方が、最も変化を実感しやすい傾向があります。

 

5-2. 脂肪下垂主体タイプ(糸リフト・フェイスリフト併用の選択肢)

 

頬の脂肪が大きく下方へ移動し、フェイスラインが崩れているタイプです。

ウルセラも有効ですが、脂肪の下垂量が大きい場合は糸リフトとの併用、またはフェイスリフトを検討する価値があります。

糸リフトは物理的に組織を引き上げるため、即効性があります。

ただし糸が体内に残留することや、糸の引き込みによる表情の不自然さが生じることもあり、施術者の技術と解剖学的知識が問われます。

 

 5-3. ボリューム減少タイプ(ヒアルロン酸・CRFの組み合わせ)

 

鼻翼基部および頬の脂肪が萎縮し、ほうれい線が「くぼみ」として深くなっているタイプです。頬がこけた印象のほうれい線とも表現されます。

このタイプはウルセラよりも、ヒアルロン酸(ほうれい線への直接注入)や、CRF(脂肪注入)によるボリューム補充が適切な場合が多くあります。

ウルセラを照射するとさらに脂肪が萎縮してしまう可能性があるため、専門医への相談が重要です。

 

 5-4. 表情ジワ・骨格性タイプ(ボトックス・骨格評価)

 

笑ったときや表情を作ったときに深くなるほうれい線で、筋肉の動きや骨格の影響が大きいタイプです。このタイプはウルセラの適応が限られます。

状況により注入治療が適切なこともありますが、ほほ骨が突出しているなど頬のボリュームがある程度豊かな顔立ちにおいては、ほうれい線がある方が自然なこともあり、無理して補正するとかえって不自然な印象になってしまうこともあります。

 

ほうれい線のタイプ 主な推奨治療 ウルセラの適合度
たるみ主体型 ウルセラ(単独または複合) 高
脂肪下垂型 糸リフト+ウルセラ、またはフェイスリフト 中
ボリューム減少型 ヒアルロン酸・CRF 低〜中
表情ジワ・骨格性 状況により注入治療 低

 

 

—

 

 第6章 ウルセラのリスク・限界・誤解しやすいポイント

 

ウルセラはエビデンスの蓄積があるFDA認可の機器ですが、あらゆる施術と同様に一定のリスクと限界があります。

ほうれい線の改善を目的にウルセラを検討される方ほど、メリットだけでなくデメリットを正確に把握しておくことが望ましいでしょう。「やりすぎない美容医療」の観点から、正直にお伝えすべき情報をまとめます。

 

6-1. 脂肪萎縮リスクと「やりすぎない」回数設計

 

ウルセラで最も注意が必要なのは、高頻度・高出力での照射による脂肪萎縮です。超音波エネルギーが皮下脂肪層に作用することで、脂肪細胞が減少する可能性があります。

適切な設定・間隔であれば問題になりにくいのですが、短期間に繰り返し受けたり、過剰なショット数で照射したりすることでリスクが高まるとされています。

「やればやるほど効く」という感覚でウルセラを重ねる方がいらっしゃいますが、脂肪が減少すると頬がこけてかえって老けた印象になることがあります。

1回の施術後は最低でも6ヶ月〜1年は経過を観察し、効果と状態を評価してから次の施術を検討することが望ましいです。

 

 6-2. 効果を感じにくいケースの臨床的特徴

 

ほうれい線改善を目的にウルセラを受けても、変化を感じにくいケースがあります。臨床現場でよく見られる特徴を挙げます。

 

  • 元々の皮膚の弛緩が著しい方: 皮膚が非常に余っている場合、筋膜を引き上げても皮膚の余りが吸収しきれず、視覚的な変化が分かりにくい傾向です
  • 照射数・出力が不十分な施術を受けた方: 安価なコースで照射数を極端に減らした施術では、必要な効果が得にくい場合があります
  • 骨格退縮・ボリューム減少が主体の方: 前述のとおり、ウルセラでアプローチできる変化には限界があると言えるでしょう
  • 施術後2〜3ヶ月未満で評価している方: 効果のピークは照射後2〜3ヶ月であるため、早期の評価では変化を実感しにくいのが一般的です

 

 6-3. 他院ウルセラ後の修正相談で多い3つの主訴

 

他院でウルセラを受けた後に当院へご相談に来られる患者さんで、多く聞かれる主訴があります。

 

  • 「頬がこけた・老けた」: 過剰照射による脂肪萎縮と考えられるケースです。この場合、ヒアルロン酸やCRF(脂肪注入)でボリュームを補充する方向での対応を検討することが多くなります。

 

  • 「全く変化がなかった」: 照射設定の問題か、そもそもウルセラの適応でなかった可能性が考えられます。原因タイプを再評価した上で、治療の選択肢を再検討するのが望ましいでしょう。

 

  • 「施術後に痛みやしびれが続いている」: ウルセラ照射による神経への影響は通常一過性とされていますが、まれに長期化する例も報告されています。形成再建外科の経歴を持つ医師として、症状の慎重な評価と経過観察が重要だと考えています。

 

他院でウルセラを受けた後に不安を感じている方も、まずはカウンセリングで現在の状態を正確に把握することからお役に立てることがあります。

 

—

 

 第7章 ウルセラとほうれい線についてよくある質問

 

ほうれい線に対するウルセラの施術について、カウンセリングでよくいただく疑問をまとめました。

 

 「1回で効果が出ますか?」

 

多くの場合、1回の施術で一定の変化を感じる方は多いですが、効果の程度は個人差があります。1回で満足できる方もいれば、数回の施術で徐々に変化が積み重なる方もいらっしゃいます。

ただし、「1回受けてすぐに大きく変わる」という即効性は、ウルセラの特性上期待しにくい部分です。効果の評価は施術後2〜3ヶ月で行い、その結果を踏まえて次のステップを判断することをお勧めします。

 

 「何歳から受けるのが適切ですか?」

 

ウルセラは皮膚に一定の弾力がある方に効果が出やすい傾向があります。一般的に30代後半〜50代が変化を感じやすい年齢層とされています。20代でたるみが気になる場合は、ウルセラよりも生活習慣の見直しや保湿ケアが先決なことが多くあります。

60代以降の方でも受けられる場合がありますが、皮膚の弛緩が大きい場合は外科的フェイスリフトを検討したほうが現実的な変化が得られることもあります。年齢だけでなく、皮膚の状態を直接診察した上で判断することが大切です。

 

 「他院でウルセラを受けたが変化がなかったと言われました。本当に効果がないのでしょうか?」

 

効果を感じにくい理由にはいくつかの可能性があります。ウルセラの適応ではない原因タイプ(ボリューム減少主体など)であった可能性、照射数・出力が不十分であった可能性、また効果の評価時期が早すぎた可能性などが挙げられます。

「ウルセラが自分に合っていないのか」「施術の問題だったのか」を判断するためには、改めて状態を診察した上で原因を整理することが有益です。

 

 「ヒアルロン酸を注入している部位にウルセラを受けても大丈夫ですか?」

 

特に問題を生じないことがほとんどです。ヒアルロン酸が熱で変性・分解されるのではないかと心配される方もいますが、ウルセラで作成される熱凝固点の大きさはきわめて小さく1mm3です。

また、ヒアルロン酸が注入される層とウルセラが照射される層も異なることが多いです。たとえヒアルロン酸にウルセラの超音波がわずかに当たったとしても目に見えないほどのボリュームダウンの可能性があるのみで、少なくとも有害なことは発生しません。

 

 「韓国でウルセラを受けた後、仕上がりに不満があります。修正できますか?」

 

韓国で受けたウルセラ後の状態についても、まずは現在の状態を診察することが重要です。「仕上がりが不自然」「頬がこけた」「効果が全くなかった」など、主訴によって対応策が異なります。

他院修正のご相談で多いのは、脂肪萎縮によるボリューム低下です。この場合はヒアルロン酸やCRFでの補充が選択肢になり得ます。形成再建外科の経歴を活かし、現状を正確に評価した上で対応策をご提案します。

「すぐに何か注入する」のではなく、「まず状態を正確に知る」ことから始めることをお勧めします。

 

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第8章 ほうれい線を本気で改善したい方への治療設計ロードマップ

 

「ほうれい線を改善したい」という目標は同じでも、最短ルートは人によって違います。最終章では、ほうれい線改善に向けた治療設計の考え方を、ステップ・年代別の視点でお伝えします。

 

 8-1. ほうれい線改善の3ステップ

 

ほうれい線の治療を正しく設計するには、以下の3ステップが有効です。

 

ステップ1:原因タイプの診断

まず「自分のほうれい線がどのタイプか」を診察で明確にしましょう。たるみ主体・脂肪下垂・ボリューム減少・表情ジワのどれが主体かを見極めることこそが、全ての出発点と言えるでしょう。

ここを省略すると「効かなかった」「期待外れだった」という結果になりやすい傾向があります。

 

ステップ2:ベース治療の選択

原因タイプに応じた主治療を決めていきます。たるみ主体型ならウルセラ(場合によって糸リフト)、ボリューム減少型ならヒアルロン酸・CRF、表情ジワ型ならボトックスという具合に、まず主軸となる治療を1つ選んでみてください。

複数の施術を同時に詰め込むのではなく、まず1つで変化を評価することこそが「やりすぎない」治療設計の基本ではないでしょうか。

 

ステップ3:仕上げ治療の追加(必要に応じて)

ベース治療の効果が出た段階で、不足している部分を補う仕上げ治療を検討していきます。例えば、ウルセラでたるみを引き上げた後にボリューム不足が気になる場合はヒアルロン酸を少量追加、肌のハリも整えたい場合はサーマクールFLXやソフウェーブ、ポテンツァを組み合わせるといった形が考えられます。

この段階を丁寧に踏むことで、「やりすぎ」を避けながら自然な変化を積み重ねていくことが可能になるでしょう。

 

 8-2. 年代別の現実的なゴール設定

 

ほうれい線の改善において、年代によって現実的に期待できる変化の範囲が異なります。正直にお伝えすることが、後悔のない治療選択につながります。

 

年代ほうれい線の主な特徴現実的なゴール主な選択肢30代後半 たるみ初期・皮膚の弾力ありリフトアップで溝を浅くウルセラ(単独)40代 たるみ進行・脂肪下垂あり目立ちにくい状態へウルセラ+ヒアルロン酸など複合 50代複合的変化・骨格退縮も自然な若返り感の維持複合治療(ウルセラ+補充+肌質改善)60代以降重度の弛緩・ボリューム減少外科的対応を含む検討フェイスリフト・複合治療

 
 

 

 

「10歳若返る」「ほうれい線を完全に消す」という目標設定は、医学的な観点から現実的でないことが多くあります。

しかし「5年前の状態に近づける」「自然に若々しい印象を取り戻す」という目標は、適切な治療設計で多くの場合に近づくことができます。

 

 8-3. 京都・すなおクリニックのほうれい線治療への姿勢

 

京都・すなおクリニックでは、医学博士・美容外科学会専門医・女性形成外科学会専門医である土屋すなお院長が、ほうれい線の根本的な原因を診察・評価した上で治療設計をご提案しています。

院長は東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部附属病院・国立がん研究センター等で形成再建外科の経歴を積んでおり、その知見を現在の診療に活かしています。

ウルセラは当院が提供している施術の一つですが、「ウルセラを受ければほうれい線が改善する」という一律のご案内はしていません。

お一人おひとりのほうれい線がどのタイプか・何が主因かを丁寧に診察した上で、ウルセラが適しているのか、他の施術との組み合わせが必要か、あるいは外科的な対応が現実的かを、正直にお伝えすることを大切にしています。

「他院でウルセラを受けたが満足できなかった」「なぜ効かなかったのか理解できていない」という方のご相談も、形成再建外科の経歴を持つ医師として真摯にお応えします。

無理な治療の押しつけはいたしません。まずはカウンセリングで、ご自身のほうれい線の状態と原因を正しく知ることから始めてみませんか。

ほうれい線の改善に向けた第一歩が、正しい診断から始まることを、多くの患者さんとの対話の中で実感しています。

 

この医師が監修しました

土屋すなお Sunao Tsuchiya

すなおクリニック院長・日本形成外科学会認定専門医

フェイスリフトと注入・顔の手術のスペシャリスト。美容医療における「やりすぎない」自然な美しさと調和を重視し、 患者一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない治療法を提案しています。

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