すなおクリニック院長の美容情報ブログ
目の下のたるみ(目袋)の形成術
2016/09/03
本日斜め読みした論文について
Simplified Muscle-Suspension Lower Blepharoplasty by Orbicularis Hitch
J.William Little,MD et al.? Aesthetic Surgery Journal 2016 Vol36(6) 641-647
こんにちは。
本日は目の下のたるみによっていわゆる「目袋」ができてしまった場合の治療法についてです。
目袋が小さければ、目袋の下方にヒアルロン酸を注射して目立たなくする治療法もあり、ダウンタイムが最も少ないので人気があります。何よりも手術でなく注射だけですむ手軽さがよいのですが、根治性はなく、ヒアルロン酸が体内に吸収されてしまえばまたもとに戻ってしまうのは難点といえば難点です。また、たるみが高度の場合にはヒアルロン酸注射ではきれいに仕上がらないこともあります。
次にダウンタイムが少ないのは、下瞼の裏側から脂肪を抜く手術。「下眼瞼脱脂」です。
お顔の表面に傷がつかず、4日前後のダウンタイムですみますので、これも比較的、患者さんにとってハードルが低いといえます。ただしこの方法も、たるみが高度場合には、下眼瞼を膨張させていた脂肪が抜けた結果として、表側の眼輪筋や皮膚にしわが寄ってしまうこともあります。このたるんだ皮膚を引き締める方法としては、フラクショナルレーザーやバイポーラ型のラジオ波を使用する方法などもあります。
目の下のふくらみがどうしても気になるということでご相談に見えました。
顔の表面に傷をつけず、瞼の裏側から脂肪を除去しました。取りすぎるとくぼんでしまうので、やりすぎに注意しました。
本日読んだ論文は、表面から最小限の侵襲で眼輪筋および皮膚を絞める方法についての分析でした。眼輪筋にスリットをあけて引き上げ、骨膜に固定するとのことで、形成外科医的視点から見れば技術的には簡単。眼輪筋が切除されないので、眼輪筋の支配神経も切れることがなく、涙袋が消えてしまったりする心配も少ないです。ただし下瞼ぎりぎりを切開するとはいえ、顔の表面にメスが入りますし、ダウンタイムは7日から10日程度でしょう。この位置の傷はかなりきれいになり、ほとんどわからなくなります。
涙袋がなくなるのは嫌だなあ、という患者様の中にはこの方法が適している方もいらっしゃるだろうなあと感じました。
今後の診療に生かしていきたいと思います。
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。