すなおクリニック院長の美容情報ブログ
美容医療施術における(施術する側の)優先順位
2022/08/17
美容医療の施術で、一番大切なことはなんでしょ~か。
①結果が良いこと
②健康被害がないこと
③患者さんに痛い思いをさせないこと
④ダウンタイムが短いこと
全部大切に決まってますが
優先順位をつけなくてはいけないケースがしばしばあります。
例えば、眼瞼下垂の手術のとき。
チクッとする痛みがあれば、ほとんどの工程ですぐに麻酔を足します。
でも眼瞼挙筋やミューラー筋という目を開ける機能をつかさどる部位に糸をかけたときに
患者さんから「チクっとします~」と言われても
心を鬼にして
「すみません、ちょっとだけ我慢~」と我慢をお願いすることも。
最大でも注射程度の痛みだし、
開眼の程度が確定していない段階で
ここで麻酔すると、瞼の開きの観察が正確にできなくなり
最悪の場合、瞼が開きすぎの怖い顔になってしまうリスクがあるのです。
瞼が開きすぎとは、
そう。
こんな感じ。
これは、
①結果が良いこと
を
③患者さんに痛い思いをさせないこと
よりも優先させた例です。
①結果が良いこと
②健康被害がないこと
の心配がなければ
③患者さんに痛い思いをさせないこと
④ダウンタイムが短いこと
が最優先になります。
例えばボトックス注射。
一番右の23Gは、保険診療でよく使う太さの針です。
(もう少し太い21Gが最もよく使用されると思います)
真ん中の30Gは美容医療でよく使用される太さ。
34Gはきわめて細く、注射後に針孔もほとんど見えません。
30Gや34Gは皮下出血リスクや刺した時の痛みも太い針よりも少ないですので
ボトックス注射ではこれを使用しています。
額など、より繊細に深さと注射量を調整したほうが良い部位では特に34Gがおすすめです。
ヒアルロン酸注射では、先の尖った針や尖っていなくても細すぎる針を
使用することが
②健康被害
につながることがあります。
尖っていない針(鈍針(どんしん))とはこんな感じ。
尖っている針は血管にささることがあり、
皮下出血もやや起きやすく、また
血管内注入を起こすと皮膚壊死・失明などにつながり最悪です。
鈍針であっても細いものは尖っている針と同じように血管に刺さることがあります。
鋭針は、ここは鋭針でないとどうしても綺麗にはいらない!という場所で、なおかつ、
ここは安全性が高い!という部位でのみ、使用しています。
このため、ヒアルロン酸注射では
③患者さんに痛い思いをさせないこと
よりも
②健康被害がないこと
を優先し、
太目の鈍針を多く使用しています。
(多少太くても、大した痛みじゃないですよ)
経営者になり、医療以外でも様々な案件を天秤にかけることが
多くなってきました。
そうそう。
夫と子供の天秤は、傾きっぱなしです。
ごめんね、夫よ。
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土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。