すなおクリニック院長の美容情報ブログ
アクアミド除去をお考えの方へ~美容医療後遺症外来・他院修正~
2024/12/25
こんにちは。
かつて「持続性が高い」「自然な仕上がり」
として注目されたアクアミドですが、
現在ではそのリスクが問題視されています。
一部の患者さんは注入後に炎症やしこりが発生し、
長期間悩み続けるケースも少なくありません。
当院では、アクアミドを除去する施術を行うことで、
患者さまが抱える不安やトラブルの解消を目指しています。
アクアミドの特徴とリスク
アクアミドは、ポリアクリルアミドを主成分
とする長期間持続する注入材です。
しかし、その持続性ゆえに
しこり・感染・拘縮・変形といった
リスクが存在します。
ヒアルロン酸注入と比較するとこれらのリスクが高いと
言えます。
1. しこりができる理由
ヒアルロン酸が体内で徐々に分解されるのに対し
アクアミドは非吸収性のフィラーであり
体内で分解されないため
長期間注入部位にとどまります。
その結果、以下のような問題が発生する
可能性があります:
異物反応
アクアミドが体内に長く残ることで免疫系が
異物として反応し、繊維組織が形成されて硬い
「しこり」になることがあります。
注入方法の問題
不適切な注入層や量が原因で
フィラーが局所的に固まり、
しこりとして触知される場合があります。
2. 感染が起こる理由
注入後の感染が、即時または
数年後に遅発的に起こることがあります。
主な原因は以下の通りです。
バイオフィルムの形成
アクアミドは細菌が付着しやすく、
一度感染が起こると細菌がバイオフィルムという
保護膜を形成します。
この膜が原因で感染が慢性化し、
抗生物質の効果が低下します。
長期残存のリスク
非吸収性であるため、体内で徐々に
細菌感染のリスクが高まります。
例えば、風邪や他の炎症性疾患が
きっかけで感染症が誘発されることもあります。
注入時の不適切な衛生管理
施術時に完全な無菌環境が整っていない場合、
注入部位に細菌が侵入する可能性があります。
3. 拘縮が起こる理由
アクアミドが組織内で異物として反応することで、
周囲の組織が硬化・収縮することがあります。
具体的な原因は以下の通りです
慢性的な炎症
注入されたアクアミドが周囲の組織を刺激し、
繊維化を引き起こすことがあります。
これにより、皮膚や筋膜が硬くなり、拘縮が生じます。
繊維組織の過剰形成
免疫反応によって形成された繊維組織が
注入部位を包み込み、動きや柔軟性を制限します。
これにより、自然な表情や動きに支障が出る
場合があります。
4. 変形が起こる理由
アクアミドが不均一に注入されたり、
体内で位置が変化することによって
形状が変わることがあります。
以下のような要因が原因です:
注入の不均一さ
注入層の深さや量が適切でない場合、
時間の経過とともに凹凸や左右非対称が
目立つようになります。
移動性
アクアミドは体内で移動する可能性があり、
元の位置からずれることで形状が
変わる場合があります。
長期間の圧力や刺激
外部からの圧力(寝る姿勢や日常的な接触)
によって注入部位の形が変化することもあります。
アクアミド除去が必要になるケース
アクアミド注入後に以下のような症状がある場合、
除去を検討することをおすすめします。
✓注入部位にしこりや腫れがある
✓炎症や赤みが治らない
✓違和感や痛みが長期間続く
✓美容的な仕上がりに不満がある
これらの症状がある場合は、
できるだけ早く専門医にご相談ください。
放置すると症状が悪化する恐れがあります。
当院でのアクアミド除去治療
当院では、患者さまの状態に合わせて以下の
方法でアクアミド除去を行っています。
1. 手術による除去
アクアミドを可能な限り取り除くために、
手術を行うケースがあります。
特にしこりや炎症が広範囲に及ぶ場合、手術が有効です。
2. 専門的なケアとアフターフォロー
アクアミド除去は技術的に難しいため、
1回で取り切れないことが多いです。
このため治療後のフォローアップが重要です。
3. 個別カウンセリング
患者さま一人ひとりの状態や希望を伺い、
最適な治療計画をご提案します。
不安や疑問を解消し、安心して治療を受けられる
環境を整えています。
最近の投稿
土屋 沙緒
Sunao Tsuchiya
京都の美容外科・美容皮膚科すなおクリニックの院長。医師として、そして一女性の立場から、ちょっと役立つ美容情報をお届けします。